“訳あり”で激安だった「ビジネスホテルみかど」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(10)】

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さて、恒例の館内探検である。

フロアには電子レンジとオーブントースターまであり、リノベーションされた感の洗面所にはウォシュレット付きのトイレがあった。

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1階には大浴場とシャワールーム3か所が。新館には各階にシャワールームがある。

大浴場は男女入れ替え制。男性が午後3時から10時までと午前0時半から9時半まで、女性が午後10時半から午前0時までと午前10時半から正午まで。

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大浴場は翌朝に入ることにして、シャワールームを利用した。

ゆったりとした作りで、清潔感もあり、申し分ない。高品質と思われるシャンプーやリンス、ボディソープも完備。まさに「スッキリ」である。

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活況が戻ってきた大阪である。部屋呑みも良いが、せっかくなので僕は居酒屋へと向かった。ホテルは午前1時にシャッターが閉まるが、隣のドアから暗証番号などを入力すれば出入り自由。安心して出かけた。

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大阪に来ることもしょっちゅうな僕は、十数年来の友人も多い。その中で、大阪の居酒屋系にとても強い友人と、久々に再会した。

向かった先は西成のある動物園前駅から地下鉄堺筋線で2つめの日本橋駅。そこには地下街、なんばウォークがある。その一番、日本橋駅寄りの店舗「初かすみ酒房日本橋店」へ。

大阪的な紅生姜天のほか、日替わりメニューには赤いウインナーや、たこせん目玉焼きなどチープで面白そうなメニューもあり、楽しめた。友人曰く、こちらもコロナ禍は9月30日まで休業していたそう。今は、かなり客足も戻ってきているようで、ほっとした。

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その後、ホテルへ戻り、例の“騒音”にドキドキしながら眠りについたが、特に気になるような音は無かった。ホテルの張り紙には「泥酔者お断り」的な文字があったが、もしかしたら少々、泥酔していたかもしれない(汗)。なにはともあれ、爽やかな朝が、そこにあった。

「みかど」の素晴らしさは、まだある。なんとチェックアウトが午後1時。とはいえ男性の大浴場は朝9時半までなので、8時半ごろ向かう。

先客は1名。6名が一度に洗える広さだ。しかもサウナまである。僕はゆったりとした湯船に、まさにゆったりと浸かり、そして部屋に戻り、時間を気にすることなく身支度をし、昼ごろにチェックアウトした。

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今回も素敵な西成のホテルだった。エレベーターの張り紙によると、週単位、月単位でも借りられるようだ。が、1月以降は料金値上げの模様(旧館ツイン2名まで2,880円など)。とはいえ、まだまだ低価格でコスパの良いホテルに変わりは無い。

■プロフィール  
はんつ遠藤
1966年東京生まれ。早稲田大学卒。不動産会社勤務を退職後、海外旅行雑誌のライターを経て、フードジャーナリスト&C級ホテル評論家に。飲食店取材軒数は1万軒を超える。主な連載は「週刊大衆」「東洋経済オンライン」など。著書は「取材拒否の激うまラーメン店」(廣済堂出版)など27冊

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