昨夏の北極海航路は開通に至らず、冷夏で海氷の融解進まず 北東航路の未開通は12年ぶり

ウェザーニューズによると、昨夏には北極海の海氷の融解が進まず、北極海航路が開通に至らなかったとの分析を発表した。

年間最小海氷域面積は過去7年間で最大となる461万平方キロメートルで、ロシア側の北東航路、カナダ側の北西航路ともに、海氷域に入ることなく全航路を通ることができると衛星観測データから判断できる、開通には至らなかった。北東航路が開通しなかったのは12年ぶり。

近年は水温の上昇によって海氷面積が減少しており、北極圏は他の地域と比べて2倍から3倍の速度で温暖化が進んでいる可能性も指摘されている。2020年には北極圏で記録的な高温となり、北極圏航路は史上最長となる88日間開通していた。2021年には7月に冷夏傾向となり、北極海航路上の一部海域で海氷が溶け残った。

アジアから欧州への航海時に北極海航路を使用できれば、輸送費用のほか、二酸化炭素排出量も削減できるという。