製造からわずか14年 “まだまだ活躍できた”ANAの777-300ER「JA779A」、売却先の米国へ

全日本空輸(ANA)が開催した「機内レストラン」などのイベントでも活躍したボーイング777-300ER型機(機体記号:JA779A)がきょう7月13日、売却のため羽田空港からフェリーフライトでアメリカ・カリフォルニア州のモハーヴェへ向かった。

JA779Aは2007年に製造されたファーストクラス8席、ビジネスクラス52席、プレミアムエコノミー24席、エコノミークラス180席の264席仕様の機材で、長距離国際線を中心に運航されていた。運航マニュアルや空港の地図などをコックピットの画面で閲覧できる「エレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)」が初めて導入された機材の一つでもある。同機で乗員へのシステム習熟が行われたEFBは、その後導入されたボーイング787型機に標準搭載されている。

当初2020年度夏スケジュールに予定されていた羽田空港の国際線増便に向けてさらなる稼働が期待されていたボーイング777-300ER型機だったが、新型コロナウイルスの影響で活躍の場が激減。大型機の整備コスト削減のため、JA779Aはコロナ禍終息を待たずして同年度での退役が決まった。

最終運航はノーパックス便(貨物便)として運航された今年3月28日のNH7・8便で、東京/成田〜サンフランシスコ線を1往復した。退役までの約14年間で、総サイクル数(飛行数)は6,574回、総飛行時間は59,349.32時間にのぼった。その後の6月には退役記念として、駐機中の機内で食事を楽しめるイベント「翼のレストラン」の会場にもなった。

▲(左から)萩原宏機長、関谷誠機長、越川聡機長

売却が決まったJA779Aはきょう7月13日午前8時54分、羽田空港からNH9431便として805番スポットを出発した。同便に乗務したのは、関谷誠機長と萩原宏機長、越川聡機長の3機長。「コロナ禍がなければまだまだ活躍できる飛行機だった」と話す関谷機長は、JA779Aの他にも3機のフェリーフライトを担当。「モハーヴェ空港に降りて、タクシーウェイに曲がるとそこに飛行機を置く場所がある。そこでエンジンを切る時、『ああ、こいつはもうエンジンがかからないのか』と寂しくなる」と最後のフライトを担当する心境を明かした。

萩原機長と越川機長もそれぞれ、「副操縦士時代から乗って、この飛行機で鍛えてもらった。当時の気持ちは今でも思い出す」、「300ERは一番好きな飛行機。今回はモハーヴェの着陸を担当するが、どういう心境になるかわからない」と思い入れを語り、「寂しい」と口を揃えた。

午前9時3分にC滑走路を離陸した同便は、翼を左右に振って羽田空港に別れを告げ、経由地のホノルルへ向かった。

ANAを傘下に置くANAホールディングス(ANAHD)は、事業構造改革の一環として13機のボーイング777-300ER型機を2020年度中に退役させている。退役機は順次日本を離れており、残りは1機となった。

▲羽田空港でフェリーフライトを待つJA779A

▲羽田空港でフェリーフライトを待つJA779A

▲羽田空港でフェリーフライトを待つJA779A

▲羽田空港でフェリーフライトを待つJA779A

▲JA779AのL1ドアに寄せられたファンや社員からのメッセージ

▲JA779AのL2ドアに寄せられたファンや社員からのメッセージ

▲出発前に機体を目視点検する関谷機長

▲出発前に機体を目視点検する関谷機長

▲出発前に機体を目視点検する関谷機長

▲JA779Aのフェリーフライトに乗り込む3機長

▲羽田空港を出発するJA779A

▲羽田空港を出発するJA779Aから手を振る関谷機長

▲羽田空港C滑走路へ向かうJA779A

▲羽田空港を離陸するJA779A

▲羽田空港を離陸するJA779A

▲羽田空港を離陸するJA779A

▲羽田空港を離陸するJA779A