ZIPAIR、機内に抗菌・抗ウイルス加工 ホノルル線再開へ準備万端

ZIPAIR Tokyoは6月1日、機内の抗ウイルス・抗菌コーティング加工を成田空港の格納庫で行った。7月21日の東京/成田〜ホノルル線運航再開に向け、安心感のある機内環境を提供する。

JALグループの全機材を対象としたもので、JALでは4月23日から実施している。客室内の座面やテーブル、シートベルト、肘掛け、手荷物収納棚、壁面パネルなど座席周りや化粧室、ギャレーのほか、クルーバンクなどにコーティング加工をするもので、この日はボーイング787-8型機(機体記号:JA825J)の機内で作業を実施。機内清掃などを担当するJALグランドサービス(JGS)のスタッフ4人が、噴霧器を使ってコーティング剤を塗布した。

コーティング剤は中村・フクイヤ製の「ダイヤモンドマジック D-VⅡ」で、抗菌製品技術協議会(SIAA)の定める抗ウイルス・抗菌性能と安全性が確認されている。メーカーが研究機関に委託した試験では、新型コロナウイルスを不活性化する効果があることが確認されており、効果はおおよそ3〜5年程度持続することが見込まれているという。

コーティング加工を施した機材には、作業済みであることを示す「SIAA」の認証ステッカーを機体のL1・L2ドア横に貼付する。もう1機のボーイング787-8型機(機体記号:JA822J)は5月11日に実施済みで、これにより保有する全2機の加工作業が完了した。ZIPAIR Tokyoは今回の機内コーティングに加え、定期的な機内消毒や機内でのマスクや除菌シート配布などにより、「お客さまに安心してご利用いただけるよう取り組んでまいります」としている。

▲この日作業を行ったJA825J

同社は2月から運休している東京/成田〜ホノルル線を7月21日から再開することを発表しており、5月27日から予約受け付けを始めている。運航再開に合わせ、ホノルル到着後に行う手続きの一部を出発時に実施する「プリクリアランス(事前検疫審査)」を開始する。日本を出発する72時間以内に指定医療機関で新型コロナウイルス感染症の検査を受け、ハワイ入国時に陰性証明書を提示すれば、10日間自己隔離が免除される「事前検査プログラム」の利用者が対象。このほか、提携検査機関での出発時のPCR検査と、ハワイ州指定の陰性証明書の発行ができる「出発前PCR検査オプション」(税込30,500円)も提供する。

▲上級クラス「ZIP Full-Flat」の座席にコーティング剤を噴霧する様子

▲壁面パネルに加工を施す様子。窓にはコーティング剤がかからないよう、手製のカバーを当てる

▲コーティング剤を噴霧した「ZIP Full-Flat」の座席。乾けば加工完了

▲エコノミークラス「Standard」の座席にコーティング剤を噴霧する様子

▲コーティング剤を噴霧したエコノミークラス「Standard」の客室内

▲ギャレーの設備にコーティング剤を噴霧する様子

▲スイッチ類にはカバーを当てて作業する

▲給湯用の蛇口などは予めマスキングしておく

▲化粧室にコーティング剤を噴霧する様子

▲作業に使用した噴霧器

▲コーティング剤。ボーイング787-8型機では、このボトル5〜6本分を使用するという

▲窓などをカバーするための手製の道具。ハエたたきを活用している

▲L1ドア横に貼付された「SIAA」認証ステッカー

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