国内初のAI冷房導入 JR東海の新車「315系」、年度内デビュー

JR東海は、2021年度から投入予定の在来線用新型車両「315系」について、内装と車内設備を発表した。国内初の人工知能(AI)による冷房の制御最適化機能を導入するなど、快適性を向上させる。

インテリアデザインのコンセプトは「優しく安心感のある快適な移動空間」。座席幅は現行の211系よりも1センチ拡大させた46センチ。背もたれに1名分ずつ窪みを設け、色の濃淡を付けることで座席スペースを明確にした。

また、天井を高くし、床面の色を内側から外側に向かって色を濃くするグラデーションにするほか、袖仕切り上部に透明ガラスを採用することで車内の開放感を演出。窓には赤外線や紫外線を99%カットする遮熱・遮光ガラスを導入し、ブラインドは設けない。

設備面では、全車両に車椅子スペース、全編成に車椅子対応トイレを設置。ドア上の情報表示機はフルカラー液晶ディスプレイとなる。また、1両あたり5か所に車内防犯カメラ、3か所に非常通話装置を設け、セキュリティを強化する。

さらに、AIによる冷房装置の自動学習・制御最適化機能を国内で初めて導入。全車両の温度・湿度・乗車率等の車上データを地上のサーバへ送信し、サーバ内のAIで冷房制御を最適化する。また、冷房装置の動作状態を常時送信し、故障の予兆段階で迅速にメンテナンスできるようにする。

2021年度は8両編成7本を新造し、2025年度までに計352両65本を投入。名古屋・静岡都市圏を中心に、中央本線、東海道本線、関西本線等に順次導入し、現行の211系を置き換える計画。