ロールス・ロイスとテクナム、ヴィデロー航空と全電動飛行機開発 2026年就航へ

ロールス・ロイスとテクナムは、ヴィデロー航空と協力し、コミューター路線向けに全電動飛行機を開発し、2026年にもノルウェー国内線で運航を開始する。

ロールス・ロイスは推進力とパワーシステムの専門知識を、テクナムは航空機の設計、製造、認証能力を提供する。ヴィデロー航空は、就航に向けて、航空会社として必要な全ての能力と要件を満たすという。ノルウェーでは、地域間移動に航空機を多く使用しており、2040年までに国内線全便をゼロ・エミッションにする目標を掲げている。

ロールス・ロイスとヴィデロー航空は、2019年に共同研究プログラムを発表し、2030年までにノルウェー国内の定期便に初の電動航空機を導入し、2040年までに国内便で80%の排出量を削減できる電動航空機のコンセプトを評価・開発するとしていた。ロールス・ロイスはテクナムと戦略的パートナーシップを結んでおり、2018年5月にロータックス社と共同で開始したジェネラルアビエーション向け初のパラレル・ハイブリッド電気推進システムであるH3PS推進システムを搭載したテクナムP2010の改良航空機を開発している。

ヴィデロー航空は、44空港を結ぶ1日約400便を運航しており、うち74%は飛行距離が275キロ以下の短距離路線。最も短い飛行時間は7分から15分だった。11人乗りのテクナムP2012トラベラーをベースにした全電動航空機P-Voltは、離着陸時間が短く、ノルウェーの北部や西海岸の路線に最適だという。

ヴィデロー航空のステイン・ニールセン最高経営責任者(CEO)は、「ノルウェーの短距離離着陸空港の広範なネットワークは、ゼロエミッション技術にとって理想的です。この航空機は、新しい技術がいかに早く開発されうるか、今後も開発していけるかの証左であり、また2025年前後にはゼロエミッションの飛行を実現するという計画が順調に進んでいることを示すものです」とコメントしている。