日本に初の新型コロナワクチン到着 ANA機でブリュッセルから

日本に初めてとなる新型コロナウイルスのワクチンが、2月12日午前10時半ごろ、成田空港に到着した。

到着したのは、アメリカの製薬大手ファイザーとバイオンテックが開発したワクチン。欧州の製造拠点に近い、ベルギー・ブリュッセルから全日本空輸(ANA)の貨物便(NH9648便、ボーイング787-9型機、機体記号:JA891A)で輸送した。アラブ首長国連邦(UAE)やシンガポールなどのアジア、中東各国も、ブリュッセルからワクチンを運んでいる。

ファイザーとバイオンテックが開発したのは、mRNAワクチンと呼ばれる、細胞のタンパク質合成プロセスによって抗原となるウイルスの一部を生成し、免疫ができるように設計されたワクチン。衝撃に弱く、超低温での保管が必要であることが特徴で、輸送は温度計を設置し、超低温状態を保てるペレット状の細かいドライアイスを敷き詰めた、AeroSafe社の専用ボックスで行う。1箱には195本のバイアルが含まれており、975回の接種分に相当する。1人あたり2回の接種が必要であることから、487.5人分にあたる。FNNプライムオンラインは、今回到着したのは約37万回分と報じており、約380箱を輸送したとみられる。共同通信によると、国内の輸送はヤマトホールディングス、セイノーホールディングス、DHLの3社が担う。

予定より早め、2月14日にも厚生労働省が特例承認した上で、2月17日にも医療従事者を対象とした先行接種が始まる見通しだという

日本政府は、ファイザーとバイオンテックのワクチンのほか、アメリカのモデルナ、イギリスのオックスフォード大学とアストラゼネカが開発したワクチンの購入契約を結んでいる。