「エアライン満足度」4冠のJAL、コロナ禍の「安心」への取り組みとは

リクルートライフスタイルの研究機関、エイビーロード・リサーチ・センターによる「エアライン満足度調査2020」において、「総合満足度」など4部門で1位を獲得した日本航空(JAL)は、羽田空港の第1テクニカルセンターで行った授賞式の中で各部門の取り組みを紹介した。

JALは同調査において、「総合満足度」「機内サービス部門」「空港接客サービス部門」「機材・設備部門」の4部門で1位を獲得。「総合満足度」は2017年以来2度目、「空港接客サービス部門」は4年連続の1位となった。

授賞式では各部門の代表社員が、コロナ禍におけるそれぞれの取り組みを紹介。羽田空港で接客サービスを担当するJALスカイ羽田事業所の西野恵理さんは、各所へのアクリル板パーティションや消毒液の設置、ソーシャルディスタンスの確保など、感染防止をこれまで以上に強く意識していると話した。そうした環境下でも、到着客がすぐに移動できるよう荷物を事前にカートに乗せて返却するなどの取り組みを行い、「接触機会を減らす工夫をしながらも、お客様との心の距離はより近く感じていただけるよう努力している」という。

ちなみに、空港で使用しているパーティションは、機材整備を担当するJALエンジニアリングの社員が製作したもの。設置場所や用途によって、一つひとつ最適な形状になるように加工している。

▲化粧室の清掃時は、使い捨てガウンと手袋、フェイスシールドを着用

客室乗務員の迫直美さんは日常的に行う機内清掃について紹介した。化粧室の清掃は乗客が使用するたびに実施。ゴミ箱や床だけでなく、鏡についた水滴や指紋跡など「細部に渡ってお客様目線で清掃している」。フライト中のゴミ回収も機内サービス前後や着陸前など、都度に行うことで快適な機内環境づくりを意識しているという。また、接客時はマスクの上からでも表情が伝わるよう心がけていると話した。

JALグランドサービス東京支店 国際客室サービス部の中野安里さんはモックアップを使って機内消毒を実演。乗客が触れる機会が多い座席のシートベルト、肘掛け、リクライニングボタン、テーブル、機内エンターテインメント用モニターとリモコン、側壁を、アルコールスプレーと使い捨てのペーパータオルで拭き取る様子を披露した。乗客が触れる部分だけでなく、客室乗務員が操作するドアハンドルなども消毒しているという。

最後に、運航面での安全に対する意識をボーイング737型機に乗務する片山隆機長が説明。異常時を想定したイメージトレーニングなど、“準備”を重ねることで対処能力の向上に努めていることなどを紹介した。片山機長は、「準備の段階で仕事のほとんどが決まると言っても過言ではない」と強調した。

▲手指用消毒液の自動噴霧器もJALエンジニアリングの社員が製作。今後、空港への設置を検討している

▲木材を使い、あたたかみを感じられるよう工夫した

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