JAL、20年3月期決算は534億円の最終黒字 期末配当は無配に

JAL(エアバスA350-900型機、1号機と3号機)

日本航空(JAL)は4月30日、2020年3月期の連結業績を発表した。

グループの連結売上高は1兆4,112億円(前期比760億円減)、営業費用は1兆3,105億円(同5億円減)、営業利益は1,006億円(同755億円減)で、最終損益は534億円(同973億円減)の黒字となった。1月から3月の第4四半期は、195億円の営業損失を計上した。

売上高の内訳は、国際旅客が4,762億円(同544億円減)、国内旅客が5,146億円(同134億円減)、国際・国内郵便貨物が916億円(83億円減)、その他が3,287億円(同2億円増)だった。

国際線は、ビジネス需要の鈍化や欧州・中国線では需給バランスの悪化、香港・韓国線では政情不安などの影響を受けた。1月以降は新型コロナウイルスの影響を受け、2月には東アジアを中心、3月以降は全方面で需要が急激に落ち込んだ。

国内線は、観光、ビジネス双方の需要が堅調で、ゴールデンウィークの10連休の影響などから、堅調に需要が推移していたものの、新型コロナウイルスの影響で、2月以降、需要が急速に落ち込んだ。

流動性を確保するため、期末配当を取りやめる。前期の期末配当は1株あたり55円で、通期では同110円だった。今期の中間配当は55円だった。

菊山英樹代表取締役専務執行役員は、「第4四半期に577億円、4月に465億円の資金を調達している」と明らかにし、さらなる調達を行っていくとした。

4月以降も需要の減少が続いており、供給量を国際線は95%、国内線は70%を減らすことで運航コストの削減を図る。需要が増加している貨物便は、3月から5月までで約1,900便の運航を計画している。さらなる増便を調整するという。

2021年3月期の業績予想は、開示を見合わせる。

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