アラスカ航空のワンワールド入りで何が変わるのか?【橋賀秀紀のフカボリ!】

ワンワールド加盟各社の搭乗でアラスカ航空のマイルを獲得できる

現時点でワンワールドに加盟しながらアラスカ航空とマイレージ提携のない航空会社として、マレーシア航空、カタール航空、イベリア航空、S7航空、スリランカ航空、ロイヤルヨルダン航空が挙げられます。このうち特に気になるがカタール航空です。カタール航空とエミレーツ航空は競合関係にありますが、はたしてワンワールド加盟後もエミレーツ航空は提携を続けるのか、それとも解消するのか。もし提携を続けるとなると、かつてスカイチームに中国東方航空と中国南方航空が加盟していたように、中東系のエアラインについては非常に充実したネットワークとなるでしょう。カタール航空のワンワールド離脱はいままで何度も噂されているので、どうなるかは未知数ですが…。

JAL特典の選択肢が増える?

日本航空(JAL)

アラスカ航空は2016年12月から、日本航空(JAL)とマイレージ提携を開始しましたが、JALの国際線の特典が発券できるのはアジア内かアジアと北米間に限られています。そのため、日本とヨーロッパや日本とオセアニアを結ぶJALの特典を発券することはできません。アラスカ航空がワンワールドに加盟すればこの「縛り」が解消される可能性が高いといえます。

サファイア・エメラルド修行が変わる?

アラスカ航空は2019年秋のいわゆる「改悪」で、デリー⇒(JALビジネスクラス)⇒東京(途中降機)⇒(JALビジネスクラス)→バンコクなどで25,000マイルといった利用ができなくなりましたが、それでもJALのアジア内のビジネスクラス特典は25,000マイルで燃油サーチャージも課されないなど、特典の必要マイルの少なさが目立ちます。

マイル積算率も、例えばブリティッシュ・エアウェイズのビジネスクラスでは250%(予約クラスがⅠクラス)と非常に高いのが特徴といえます。しかし、アライアンスに加盟していないため、仮にアラスカ航空の最上級会員となっても、ワンワールド加盟各社に乗るときには、原則として通常会員と同じ扱いにしかなりません。これがワンワールド加盟によって、サファイア、エメラルド会員になれるのであれば、アラスカ航空も単にバイマイルやクレジットカードのポイント移行先として利用されるのではなく、マイル修行のプログラムの有力な選択肢となるのではないでしょうか。

ちなみに現状では、MVP Goldが年間50,000マイル、MVP Gold 75Kが年間90,000マイルの搭乗が条件となっており、アラスカ航空の搭乗実績は求められません。アラスカ航空のみで達成する場合、MVG Goldが同40,000マイル、MVP Gold 75Kが同75,000マイルですが、日本人には厳しい条件と言えます。利用便数をカウントする方法もあり、MVP Goldが60便、MVP Gold 75Kが90便です。

なお、ワンワールド加盟のタイミングでアラスカ航空のマイル積算条件などが改悪されてしまうリスクですが、これについては現時点では予想ができません。しかしワンワールドに加盟したとしてもアラスカ航空が相対的に”マイナーなプログラム”であることには変わりなく、他社よりはよい条件であり続ける可能性は高いといえるのではないでしょうか。

THE POINTS GUYの記事によれば、アラスカ航空は当面エミレーツ航空などアライアンス外の航空会社との提携を続けるとしています。

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