驚愕の「トルクメニスタン200ドル激安ツアー」 謎に満ちた2泊3日弾丸ツアーの全貌(前編)

テーブルクロスが敷かれるのにコーラは常温

機内食の日本語メニューがあった。(写真:橋賀秀紀)

離陸から1時間強で機内食の準備が始まった。各席に白いテーブルクロスが敷かれる。エコノミークラスでテーブルクロスを出すエアラインは過去あっただろうか…。トレイに載せられた機内食に続き、リンゴを丸ごと手渡しで渡される。そして、ドリンクの注文が来た。

イスラム教が中心を占める国家であるトルクメニスタンではあるが、ワインも生産しており、アルコールを飲むことも一応認められている。だが、機内食でアルコールは提供されなかった。仕方がないのでコーラを頼むと缶をそのまま渡してきた。常温では飲めないので氷をくださいと頼むと、客室乗務員が何やらほかのスタッフに確認に出かけた。

そして戻ってきて一言、「氷はありません」。確認したということはビジネスクラスでは氷を提供していたのだろうか。コーラを常温で出されたのは1990年代前半のベトナム航空以来である。ともかく氷なしでコーラは飲めないのでりんごジュースにした。ちなみに機内食は飲み物も含めて日本で積まれたものなので、特別に変わった味はしなかった。

機内には大統領の写真が

トルクメニスタン航空の機内にはベルディムハメドフ大統領の写真が飾られている。(写真:橋賀秀紀)

機内はいたって普通と書いたが、ビジネスクラス・エコノミークラスともにキャビン最前方のパーティションにベルディムハメドフ大統領の写真が飾られている。また、最後部の座席では、客室乗務員が客席に座り、食事をとっていた(後にクルーレストのカーテンが敷かれたが)。

キルギス上空では氷河によって削られたU字谷が望めた。(写真:橋賀秀紀)

機内食後、疲れから眠りに落ち、目が覚めると機体は天山山脈上空を飛んでいた。キルギスの山々の氷河地形が美しい。山々が穏やかになり、次第に平らな乾燥地形となり、定刻より30分程度早く、トルクメニスタンの首都、アシガバード国際空港に着陸した。

最近は世界中の平準化がすすみ、南米やアフリカにいっても、物事はスムーズに進むことが多くなった。そして、多くの出来事はどこかで既視感があり、驚くべきことも少なくなった気がする。だが、このトルクメニスタン行きは国に到着するまで、過去経験がないことばかりが続く。果たして入国後、どんなことが待っているのだろうか。期待しないわけにはいかなかった。(後編へ続く

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