静岡発 新興LCCで楽しむ空の旅【坂部秀治の航空よもやま話】

エアバスA321-200/HL7790のキャビン。以前は親会社アシアナ航空で運航されていた近距離向け機材だが、エアソウル開設に向けてトランスファーされている。原則としてアシアナ航空時代のインテリアを踏襲しており、個人用モニターやUSBポート・コンセント等のエンターテインメント設備が利用可能だ。旧ビジネスクラスや非常口座席はオプションで販売されており、旅行のスタイルに応じて楽しみ方をカスタマイズできる。

韓国系格安航空会社は従来からサービスレベルが高いとされているが(受託手荷物無料・機内ドリンクサービス・定時性など)、エアソウルはとりわけレガシーキャリアに近い存在と言えるだろう。アシアナ航空とのコードシェアを行っているだけに、妥協を感じられない。

エアソウルの全保有機に設置されている個人用モニターは、アシアナ航空時代の設備がそのまま残されており、フライトマップやショートムービーを楽しむ事が出来る。出発前にはセーフティービデオも放映され、実用性も抜群だ。モニター横にはUSBポートも用意され、スマートフォン、カメラ等の充電が可能だ。

オリジナルアニメーションが話題を呼んでいるセーフティービデオ。エアソウル公式ウェブサイトにて原盤が公開されており、自宅に居ながらその雰囲気を楽しむ事が出来る。

エアソウルでは機内販売としてCAFÉ MINTを展開している。各種ホットミールやアルコール類、茶菓などが自身の好きなタイミングで購入できるのが嬉しい。一部機内食は事前注文が必要となるが、フライト時間の兼ね合いからも実際注文している乗客は居なかった。

事前予約メニューの一例。前述の通り機内で購入する事は出来ず、ウェブサイト・コールセンターからの手配が必要となる。路線に応じてメニュー構成が異なっており、マンネリ化を防げるのも嬉しい。日韓線では和風弁当やベーグルサンドも用意されており、韓国料理が苦手な旅行者や日本料理を楽しみたい外国人旅行者からの支持も高い。

こちらは機内販売CAFÉ MINT(カフェミント)で販売されているベストメニュー。第1位は日本でもお馴染み辛ラーメンとビビンバ、第2位はポテトチップスとアサヒビールのセットとなっている。ブランケット等のアメニティも販売され、機内では快適に過ごせそうだ。

エアソウルでは機内誌「YOUR SEOUL」も配布されており、フライトの合間や到着地でコンテンツを楽しめる事が出来る。記事にもよるが韓国語・日本語・中国語・英語の4か国語に対応しており、韓国語が苦手な旅行者でも問題無いだろう。巻末には入国カードの記入例やルートマップが掲載されており、ちょっとしたガイドブック代わりになるのが嬉しい。

機内誌「YOUR SEOUL」に掲載されている日本語記事。今回は倉前洞(ソウル特別市マポ区)についてピックアップ、近年若者を中心に人気の高まっている地域だ。韓国系キャリアによる韓国紹介は当然ながらお手の物、新鮮な観光情報をしっかりと得ることが出来る。

機内エンターテインメントを楽しむ事約2時間、定刻よりもやや早くソウル仁川国際空港・メインターミナルに到着した。アシアナ航空傘下だけに外国人観光客への案内は問題無く、日本語放送も実施されている。低価格・高品質をモットーとしているエアソウル、レガシーキャリアとさほど変わらないサービススタイルに筆者の皆さんも好感を覚えるだろう。

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