日中友好協会駐日中国大使・程永華氏講演会全文(下) 「日中戦えば共に傷つく、中国恐怖・崩壊論は混乱の要因」

改革開放以後、中国は急速な経済成長を実現して、これを基礎に、経済発展のレベルに見合う国防建設、いわば軍事力整備も進めて参りました。この点について、今私が特にここで触れるという事は、沖縄は、ここは、地理的に東アジアの海上の要衝に位置しておりまして、現在中国と日本の関係、やや複雑な関係と言う雰囲気の中で、沖縄の民衆、また、或いは日本の民衆の多くが、軍事安全保障分野における中国の動向に強い関心を寄せていると承知しております。この場で私が説明したいと思いますのは、先ず中国には14億近い人口、国民の規模がおります。更に国土の面積が、960万平方キロメートル、それから、長さ22,000キロメートルの陸地、陸上国境線、それから、長さ18,000キロメートルの海岸線を持っている。その為に、それ相当の軍隊、防衛力を持っていなければ、中国自身の安全、それから発展の利益を守る事が難しいという事となる。しかしながら、中国は軍事力を発展させるのは、対外拡張、あるいは派遣争奪のためではありません。先程中国の理念は、和を大事にする、和を尊ぶ、あるいは、中国の今まで経験した苦い経験、歴史からして、中国は、対外拡張のために、こういう軍事力政権にはしません。それは、中国自身の国の安全を守り、また、2つの100年の軍法目標の実現を保証するためとなる。

それから、第2には、中国は新しい安全保障観を提唱しております。それは、共同、総合、それから協力による持続可能な安全保障を実現する事をアピールしている。その重要な意義は、各国の利害融合が、過不足する現在の世界の情勢に従いまして、ゼロサムの変遷思考を乗り越え、同盟で対抗し、安全を求めるという排他的安全保障政策とは異なり、各国が共同で参画し、普遍的に共有する地域安全保障のメカニズムを構築する事にあります。中国は、国際安全保障において、ますます大きな責任を、義務を、積極的に履行しております。

例えば、中国は、国連安全保障理事会の5つの常任理事国の中で、国際平和維持活動のために要員を一番多く派遣している国であります。今までは33,000人を派遣して参りました。2016年の年末の時点でも、2,496人の中国の軍人が国連の9つの任務エリアで平和維持活動を遂行しております。それから中国は、2008年から現在までに、計24回の艦艇の編隊をソマリア海域に派遣して、商船などの船舶護衛にも遂行して参りました。事実が立証しているように、中国の軍隊は、国際平和安全を守り、世界各国のために、公共安全財を提供する重要な力になりつつあります。 政治安全面の相互理解は、中国と日本の両国関係の安定した発展のカギとなる要素であります。中国と日本のあいだに2008年に調印されました政治文書、共同声明の中に、こういう文言が書かれております。「互いに協力のパートナーとなり、互いに脅威とならない、また、お互いに相手側の平和的発展を支持する」という規定があります。しかし、率直に言って、このような政治面の共通認識が、両国の社会の一般認識、普遍的な共通認識になるには、まだまだ長い道のりが必要であります。中日関係の全貌を見通す時には、お互いに4つの政治文書の原点に立ち返り、それを再確認して、また、時代の発展、変化に順応して、互いに、正しい戦略的位置づけを確立し、互いに脅威でなく、パートナーとみなし、チャレンジでなく、チャンスとみなし、相手側の平和的発展を互いに指示すると共に、具体的な政策と行動を持ってそれを減し、実行に移すべきだと考えて欲しい。中国と日本の関係、特にここ数十年のあいだに、民意を持って官を慣らし、経済を持って政治を促し、また、地方を持って中央を促すという良き伝統が形成されました。その中日関係の改善、発展には、よく官界の有識者の関心、支援が欠かせません。今年は両国の国交正常化45周年でありまして、来年は中日平和友好条約の締結40周年を迎える事になる。両国の関係、日本では、さらなる改善の発展の重要なチャンスを迎えます。しかし同時に、依然として幾つかの複雑で、敏感な問題の挑戦も受けている。両国の社会、各界は、ともに努力して、今年と来年の重要な節目を捉え、両国の4つの政治文書、それから4項目の原則的共通認識を踏まえ、絶えず、プラス面を拡大し、マイナス面を抑制し、両国関係の安定改善を実現すべく努力すべき、努力して行かなければなりません。この重要な時に、沖縄県日中友好協会が発足されたというのは、非常に良いタイミングだと言えます。友好協会の創始メンバーは、経済界の友人が中心だと伺いますけれども、これも中日両国の実際の利益の結びつきが、ますます緊密になっている、客観的な現実を反映していると思う。

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