航空ジャーナリスト・秋本俊二氏、”空港のデジタル化”とファストトラベルを語る【RIMOWAトークイベント】

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ーそれをデジタル化することで、今まで2時間待っていたところをスムーズにできると。

そこはできるだけ時間を切り詰めていかないと対応できない。空港は時間をうまくダイヤを振り分けていけばいいが、今はハブ空港といって、その国に行くだけが目的ではなく、乗り継いでどこかの都市に向かう、全てを直行便で結べないので、必ずハブ空港に乗り継いで行く。そのためには一定の同じ時間に、各都市からの飛行機を降ろして、それから2時間後、1時間後に、また目的地へ放射線状に振り分けていくダイヤを組まないといけないので、どうしても混む時間帯がある。それをどうにかしないと大変なことになる。

ー手荷物の自動預けになることで、それがスムーズに時間短縮につながる。

大いになりますね。

ー海外ではセルフサービスが増えていっている。例えば日本の空港のファストトラベルはどれくらい進んでいるのでしょう。

それはかなり進んでいる。世界から見ても空港での自動チェックイン、ウェブでの事前チェックイン、荷物も今までは持ってきたスーツケースを先にセキュリティの赤外線を通してからしか預け入れることができなかったが、カウンターにそのまま持っていて、預かってベルトコンベアで流している間にチェックするインラインスクリーニングというシステムができている。

ー航空会社ではどういった取り組みを行っているんですか。

来たお客さんを同じように並べるのではなく、例えば上級クラスには専用レーンを設けて、上級クラスの乗客は全く新しい導線を作ってそちらで通ってもらう。そちらがもし空いたら余っているエコノミーの人に来てもらい、できるだけ人がスムーズに滞らないようにしている。

ー航空会社も空港もどちらもスムーズにいくように。

ファストトラベルは両方が頑張らないといけない。

ー意外に日本でもインフラは整っているということなんですね。

そうですね。

ー2020年の東京オリンピックに向けて環境を整えていかなければならないということで、今後のデジタル化はオリンピックをきっかけに進んでいくんですよね。

オリンピックが話題になる。2020年に向けて今でもいっぱいきているが、もっとたくさんの人が海外から来るようになり、もっとたくさんの人が日本からでていくんだろうと思う。それはオリンピックがあるからではなく、単なるきっかけで、今でもキャパがあれば海外から新しく乗り入れたいという航空会社がたくさんある。それが限られているので来れないというだけ。オリンピックが終わってもそのキャパを維持していけばもっともっと人が来るようになる。人が交流すれば経済的にも豊かになる。いつかやらなければいけないことが、やっとオリンピックをきっかけに本格的に始まりそうだということ。

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