キャセイパシフィック航空、747-400すべて退役へ

キャセイパシフィック航空

キャセイパシフィック航空、2015年度通期決算は純利益90.5%増の60億香港ドルに © Tetsu Maruyama/Flight Liner=14年9月

 キャセイパシフィック航空グループは2015年度通期(2015年1~12月)決算での純利益が、前年度の31億5000万香港ドル(1香港ドル=約14.5円)を上回る60億香港ドル、日本円で約850億円だったと発表しました。
 旅客事業の売上高は、前年比3.5%減の730億4700万香港ドルでしたが、供給座席数は香港発着のボストン、デュッセルドルフ、広島、チューリッヒ線の新規路線等で前年比で5.9%増加しました。平均座席専有率は85.7%で、前年よりも2.4%ポイント上昇しています。
 キャセイパシフィック航空(CPA)と香港ドラゴン航空(HDA)の燃料費(ヘッジによる影響を除く)は、供給座席数の増加にかかわらず燃料価格の下落等もあり、前年を145億6100万香港ドル(37.8%)下回りました。航空会社にとって燃料費は最大コストの要因であり、グループにおける2015年度の営業コスト全体の34.0%を占めています(2014年度は39.2%)。
 また、香港発着で今年6月にはマドリード、9月にはロンドン・ガトウィック空港への旅客便の運航を開始します。香港ドラゴン航空は、2015年3月に東京・羽田、8月には広島への旅客便を開設するとともに、他の路線でも増便を図りました。一方、キャセイパシフィック航空はモスクワとドーハ、香港ドラゴン航空はマニラ線を運休しました。
キャセイパシフィック航空,747-400

2016年にすべて退役するキャセイパシフィック航空のボーイング747-400旅客機 © Toshio Tajiri/Flight Liner=13年12月

 機材について、期間中にキャセイパシフィック航空は、6機のボーイング777-300ER型機と3機のエアバスA330-300型機を受領しました。9月には53機目となるボーイング777-300ER型機を受領し、同機種最後の受領となりました。
 これと併行して、2015年は4機の747-400と4機のA340-300が退役しました。今年2月にはA340-300のうち1機を退役させ、残り3機となったボーイング747-400についても、予定を1年前倒しし、今年中に全てが退役する見込みです。
 また、キャセイパシフィック航空では2013年にボーイングとの間で6機のボーイング747-400貨物専用機の売却について合意しており、すでに引き渡しを終えている2機に加え、残る4機についても今年末までにボーイング社への引き渡しを完了する予定です。
 2015年12月31日時点で、キャセイパシフィック航空は計70機の新規運航機材の発注をしており、2024年までにこれらの機材を受領します。このうちA350 XWBについては、今年5月の1機目に続いて年末までに計12機の受領を予定しています。