デルタ航空、中国東方航空と提携強化 デルタ航空は約550億円出資し取締役派遣へ

デルタ航空と中国東方航空は戦略提携関係を拡大し、両社のネットワーク間での乗り継ぎの利便性を高めることやデルタ航空による中国東方航空への出資に合意した。

デルタ航空は、4億5000万ドル(約554億6000万円)を出資し、中国東方航空の香港H株のうち約10%、全株式のうち3.55%を取得する。条件付きの出資契約となっており、マーケティング契約の最終合意と双方の取締役会での承認が条件となる。これにより、デルタ航空は中国東方航空取締役会で1議席を獲得する。

現在、中国東方航空と子会社の上海航空、デルタ航空の3社は、アメリカ国内線30路線と中国国内線43路線、太平洋横断路線7路線で共同運航(コードシェア)を実施。さらに、デルタ航空は上海・浦東国際空港の利用ターミナルを中国東方航空と上海航空が利用する第1ターミナルに移転し、両社間でスムーズな乗り継ぎも可能になった。

中国東方航空は、上海/浦東とロサンゼルス線を1日2便、ニューヨーク・サンフランシスコ・ホノルル線を同1便運航。今後、北米線の新規路線の就航や既存路線の増便を検討する。デルタ航空は、上海線を週28便運航しているほか、北京〜シアトル・デトロイト線、香港〜シアトル線を運航。全中国発着国際線で中国語を話す客室乗務員が乗務するほか、中国での人気ソーシャルメディア「WeChat(ウィーチャット)」での公式アカウント開設、中国語の機内エンターテイメントの拡充などを進めている。

中国東方航空の劉紹勇最高経営責任者(CEO)は、「デルタ航空との出資契約を実施し、商業面で協業プランを遂行することは、当社が徹底的に企業再編を進め、積極的に混合所有制経済を発展させ、グローバル化を推進するという戦略的動向を表している。両社の協力は、グローバルなビジョンと共同戦略プランに基づいている。両社はそれぞれが保有する路線網、サービス、ビジネス、優位性のあるリソースなどを効果的に活用しながら、世界の二大経済圏、かつ二大航空市場を完全に繋げることができる。両社の優れた運航と国際的な協力体制を通じて、お客様の旅行体験を最適化し、グローバルな競争力を高め、さらなる発展と利益の拡大を推進したいと考えている。中国東方航空とデルタ航空の提携は、世界の二大経済圏、かつ二大航空市場をつなぐ優れた航空会社2社による戦略的提携となる。この提携関係の成功を確信しています」と両社の強い連携により生まれるメリットを強調。

デルタ航空のリチャード・アンダーソンCEOは、「中国東方航空とは長年にわたり協力関係を築いてきました。両社は、お客様に世界水準のサービスを提供し、米中間市場において長期的に最も利益を生むビジネスを構築するというビジョンを共有している。3年前からは、中国東方航空のチームをアトランタ本社にお招きし、業務体験や研修を実施している。中国東方航空への出資は、将来的に提携関係を成功させるのための投資となる。中国は、米国人の旅行需要第2位の渡航先となる。今後も世界平均の2倍の速度で成長し、数年のうちに米国人の渡航需要第1位の市場になると予想されています」と成長に自信を示した。

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