【コラム】いまアキバで人気のカプセルホテルへホテル評論家が自腹で覆面取材 『ハイスペック型』と『キャビン型』 ?

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カプセルホテルといえば、終電に乗り遅れたサラリーマンが泊まるというのが昔からの定番スタイルだったが、最近はちょっと様子が違う。例えば女性専用フロアがあったり、オシャレなイメージがあったり、寝具に気を配ったり、利用者目線を貫いた『進化系カプセルホテル』が人気だ。

ところで、筆者は現在2014年『365日365ホテル』の旅として、365日毎日異なるホテルを自腹利用、毎日チェックインし続けている。高級ホテルやビジネスホテルもあれば、カプセルホテルからラブホテルまで、『ホテル』と名の付く施設がその対象。最近都内で、秋葉原にある2つの進化系カプセルホテルが人気を博しているというので、早速両施設を覆面利用してみた。

■安心お宿秋葉原店
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まずは、JR秋葉原駅の電気街口から中央通りに出て万世橋方面へ徒歩2分という好立地の『安心お宿秋葉原店』へ。新橋にも出店している男性専用の人気カプセルホテルだ。

カラオケで人気のパセラリゾーツと同一の運営会社ということで南国リゾートがイメージ。エントランスから印象的なBGMが迎えてくれる。スリッパに履き替えチェックイン。懇切丁寧に説明してくれる笑顔のスタッフが好印象。ロビーには何と『わたあめ』サービスまである。

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館内着に着替えるためロッカースペースへ向かう。消臭スプレーや衣類用コロコロなど男のみだしなみグッズが揃う。

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大浴場は『アキバの湯』。

ミストサウナまで備える白を基調とした清潔感のあるスペースとなっている。水回りの清潔さはカプセルホテルの要。

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癒しを感じるインテリアが印象的だ。

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洗面台に置かれたアメニティの豊富さにも驚かされる。

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その他のパブリックスペースとしては、『癒しカフェ』もあり、たくさんのコミックが並ぶ。市中のネットカフェをイメージさせるスペースだ。

隣接するオープンスペースでは仲間同士が談笑で盛り上がっていたが、若い男性の利用が多いカプセルホテルという印象。

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肝心のカプセルスペースへ行ってみよう。

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高級ホテルでも採用されるブランド『シモンズ』の寝具というから驚きである。

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プラズマクラスター空気清浄機・加湿器まで設置されている。これまで利用してきたカプセルホテルと比べるとスバ抜けた快適さだ。アキバだからというわけではないが『ハイスペック型カプセルホテル』というネーミングがしっくりくる。

■ファーストキャビン秋葉原
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カプセルホテルといえば、二段式になった正方形のカプセルの上段か下段、いずれかへ潜り込むというイメージだが、上下のスペースを高くした、言い換えると『二段式ではないキャビンタイプ』を採用した『ファーストキャビン』が人気を博している。

最近、羽田空港へも開業して話題になっているが、京都や大阪、福岡などにも展開するチェーン。秋葉原店はJR秋葉原駅の昭和通り口より徒歩4分、東京メトロ日比谷線の秋葉原駅1番4番出口からは徒歩3分の好立地。

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エントランスを入ったロビーから開放感があり、オシャレなオープンスペースも印象的。

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こちらは女性利用も可能で、フロアばかりでなくエレベーターから既に男性・女性と別れている。セキュリティゲートも設置されており、女性には嬉しい心配りだ。

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客室は『キャビン』と呼ばれ、飛行機のファーストクラスをイメージしている。

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専有スペースはファーストクラス/ビジネスクラスの2クラス制であり、ビジネスクラスは専有面積が2.2平方メートルで100センチ幅のベッドに26インチ液晶テレビを備え、ファーストクラスに至っては4.4平方メートル、120センチのベッドに32インチのテレビを備える。

共に仕切はあるものの鍵は掛からないので、鍵付きのセーフティボックスも備える。

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写真は今回利用したビジネスクラス。

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大浴場はサウナがないものの、清潔感に溢れアメニティも豊富。もちろん女性スペースには潜入できなかったが、女性専用のアメニティも豊富さも支持を受けている理由とのこと。

電気街として有名だった秋葉原は、つくばエクスプレスの開通などもあり進化を遂げ、様々な顔を持つ街へ変貌を遂げた。ホテルも新規出店が多く見られる街である。ビジネスホテルから、今回訪問した進化系カプセルホテルのような、多様化がみられるこの街から今後も目が離せない。

一般的なカプセルホテルよりも料金設定は高め。利用料金は各施設のホームページの正規料金を参照いただきたいが、宿泊予約サイトでの実勢料金も日々変動しており、お得な料金で利用できることもあるので要チェックだ。

(文:瀧澤信秋/ホテル評論家・Hotelers編集長)