英ヴァージン、日本路線撤退 成田から4発機また姿消す

成田,ヴァージン・アトランティック航空

成田線に乗り入れしているヴァージン・アトランティック航空 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner=14年8月

 ヴァージン・アトランティック航空(VIR)は日本路線から撤退することを決定しました。現在運航中の成田-ロンドン線は2015年2月1日をもって最終運航とし、今後はロンドン・ヒースロー空港を発着とする大西洋横断路線の強化に注力します。

 ヴァージン アトランティック航空は、現行の2ヵ年経営改善計画において2014年末までの黒字化達成を目指しており、この成功を足掛かりにして、長期的な成功を収めるための事業へ重点を移しています。

ヴァージン・アトランティック航空

ヴァージン・アトランティック航空が成田線に投入しているエアバスA340-600型機。エンジンはロールスロイス社のトレント500を装備 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner=13年11月

 今後はデルタ航空(DAL)との共同事業の恩恵を最大化するべく、英国-米国路線の存在感をこれまで以上に高め、大西洋横断路線の輸送力を大幅に増強します。

 公表された路線ネットワーク変更計画によると、ロンドン・ヒースロー空港発着のデトロイト線は1日1往復体制として新規就航、ニューヨーク線とロサンゼルス線は1往復を増便、アトランタ線は夏期限定で1往復増便、サンフランシスコは夏期限定で週5便を増便、マイアミ線は冬期限定で1往復を増便します。

 また、共同事業パートナーであるデルタ航空間で路線便を移譲。ヴァージン・アトランティック航空がマンチェスター-アトランタ線を1往復体制として就航を開始し、デルタ航空がヴァージン・アトランティック航空のロンドン-ニューアーク線における既存便数のうち1便を引き継いでデルタ航空が就航を開始します。さらに、デルタ航空は2015年夏にマンチェスター-ニューヨーク線を1日1往復体制で開設する見込みです。

 一方で、これらネットワーク拡大を最大限生かすため、ロンドン発着の成田線とムンバイ線の撤退、バンクーバー線とケープタウン線の廃止も決定しました。

 ロンドン発成田行きとロンドン発ムンバイ行きの最終運航日は2015年1月31日、成田発ロンドン行きとムンバイ発ロンドン行きの最終運航日は2015年2月1日を計画。バンクーバー路線の夏期限定便は2014年10月11日が最後の運航となり、来夏以降は廃止。ケープタウン線は2015年4月27日を最終運航日とします。

 ヴァージン・アトランティック航空は現在、成田-ロンドン線にエアバスA340-600型機を投入しており、来年2月以降は日本路線から4発機を保有する航空会社がまた1社姿を消すことになります。