山口県萩市に古民家ゲストハウス「萩 暁屋」オープン 白壁の残る伝統的建築物保存地区浜崎町で

萩市の白壁の残る伝統的建築物保存地区である浜崎町に、古民家ゲストハウス「萩 暁屋」がオープンした。山口県萩市で2軒目のゲストハウスとなる。

香川県出身で、世界約70ヶ国を周ったご主人の高橋孝和さん(38歳)が選んだ土地は、山口県は萩市の伝統的建築物保存地区で素朴な街並みが残る浜崎町だった。

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ご主人の高橋孝和さんにお話を伺いました。

ーオープンから少し経ち、オペレーションも落ち着いてきた頃だと思いますが、なぜゲストハウスをオープンされたのか?からお聞かせ下さい。
ご主人の高橋さん(以下、敬称略)「元々子供の頃から、大人数での共同生活の場を作りたかったんですよ。気の合う人間だけで住める環境というのが欲しかったんです。」

ーなるほど、それがゲストハウスになった理由を教えて下さい。
高橋「自分が海外に出るようになって、たまたま利用するようになったゲストハウスというのが、自分の気質に合ったんですね。共同生活スペースという意味ではシェアハウスでもよかったのですが、自分が旅人だったので自然とゲストハウスになってしまいました。新しい風を常にお客さんが運んできてくれるというのも魅力でした。」

廊下と裏庭

ー世界を周られて、なぜ萩に行き着き、どのように物件と出会い、ゲストハウスオープンに至ったのですか?
高橋「海外を旅行しているうちに、色んなことがどんどんつまらなくなってきたんですよね。 はじめは自分が旅ズレしてきたのだと考えていたのですけど、突き詰めてみると東南アジアにしろインドにしろ旅行者に愛されてた国や街の人間が変わってしまったように思うんですよ。」

ーそれは興味深いお話ですね。具体的にお願いできますか?
高橋「これは単に一つの例であり私見ですが、昔からボッタクリはあったけども、きちんと交渉すれば相場くらいで物は買えたしそれが面白かった。それが今はボル時は一括してみんなでボル、システム的にボル。そうなると面白くないし金はかかるしで、つまらないんですよね。なんでもシステム化が進んだせいで、色んな事が簡素になってしまった。何処の国でも外国人のいないような街に行けば、まだまだ簡素になっていなかったりもするんですけど、都市好きなので本当に何もない場所を延々彷徨うストイックさは自分にはなかったんですよね。」

ーそれで帰国されたのですね、そしてそこからの経緯を教えて下さい。
高橋「そうなると元々システム化が進んでる先進国の方が便利でいい。それが日本に意識が向いたきっかけです。日本に目を向けてみるとやっぱり面白いんですよね、日本。まぁ、海外に出たからこそわかるということもあるんですけど。萩にゲストハウスを作ることになったのは、単純に萩が好きになったからです。 元々宿泊業が可能な物件情報が先にネット上に掲載されていて、それもあって萩を観光してみたら、すぐに萩の街が好きになりました。 」

ー世界を周られてきたからこその、旅人としての直感ですか?
高橋「人気の観光地というのも何もかもが綺麗に整いすぎている面があって苦手なのですが、それが萩にはないんですよね。悪く言えば整備が足りておらず荒れているように見える場所もあるかもしれませんが、地元の方々の生活感がしっかりと残っているのが萩なんです。それまで物件探しにも苦労していたんですが、借りたかった古民家の物件をすぐに借りることが出来たのでご縁もあったんだと思います。」

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(玉江港から望む観音院)

ーオープン以来、宿泊される日本人と外国人の比率や、どのような用途でお泊りの方が多いのか教えて下さい。
高橋「海外の予約サイトを利用しているので海外のお客様が多いですが、最近少しずつ日本人のお客様が増えてきています。用途は概ね観光のためのご宿泊ですが、ビジネスでお見えになられた方もいらっしゃいました。チャリダー(自転車旅行者)向けプランもあるのですが、まだ利用者は少ないです。長期滞在者向けの割引もはじめましたので、長く滞在して萩の魅力にどっぷりと浸っていただける宿にしたいと思っています。」

ーでは最後になりますが、古民家ゲストハウス「萩 暁屋」さんの方向性と基本的なスタンスを教えて下さい。
高橋「基本的に旅人の交流の場だと考えています。日本人、外国人、バックパッカー、チャリダー、いろんな旅人が交流できる場所になればと考えています。そのために共有ルームは広めにとっていますし、庭もあります。キッチン周りも充実してますので自炊派旅行者には特におすすめしますね。ビーチも歩いてすぐなので色々遊べますよ。」

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(菊ヶ浜の夕日)

宿泊は料金は1泊1名ドミトリーで、2,400円と2,600円の2種類。また、チャリダー(自転車旅行者)プランとして、寝袋持参で2,000円もある。こちらは予約不可で1日2名まで。

その他にも長期滞在割引が用意されており、1週間以上の滞在で1泊あたり400円が割引に。こちらには適用条件があり、Eメールでの直接予約でチェックイン時に一括払いした場合に限り適用となる。

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アクセスは、東萩駅と萩バスセンターからそれぞれ徒歩17分。萩バスセンターからは、料金一律100円のシティーバスが出ており、「定期船のりば入り口」で下車。