川崎重工業、787-10の生産開始に向けて新工場の建設着手

ボーイング,787-10

現在開発中のボーイング787-10型機完成予想図。初デリバリーは2018年を計画 資料提供:Boeing

川崎重工業は12月9日、航空機製品の生産・組立工場である名古屋第一工場にてボーイング787-10を増産するため、同日より新工場建設に着手すると発表しました。

川崎重工業,787-10

ボーイング787派生型機向け名古屋新工場(完成予想図) reference:川崎重工業公式サイト

名古屋新工場の延床面積は約60,000平方メートル(全長250m、幅194m、高さ21m)。主要設備は世界最大級の複合材硬化用オートクレーブ、胴体を一体成形(積層)するプリプレグ自動積層機、胴体を一体加工(孔明け・ファスナー取付)するパネルリベッター、胴体を一体加工(孔明け・トリム)するトリム・ドリル装置、大型NDI(超音波非破壊試験装置)。

現在の名古屋第一工場南工場の東側に隣接し、2014年度末に竣工予定です。

川崎重工業ではボーイング787の前部胴体、主脚格納部、主翼固定後縁の生産を担当しており、新工場では既設工場と同種の生産設備を追加導入。メインは現在運航中の787型機の長胴型である787-10の前部胴体を生産し、生産能力を増強します。

ボーイング社は2013年6月に客席仕様300~330席の派生型機787-10を新たに787シリーズに加えることを発表し、現在開発中。787は日本では日本航空(JAL)や全日空(ANA)も運航しており、787シリーズの受注機数は1,000機以上にのぼります。