住友不動産、羽田に大規模ホテルや天然温泉 空港直結 来春開業

住友不動産と羽田エアポート都市開発は12月10日、羽田空港国際線ターミナル付近で進行中のホテルを中心とした複合開発プロジェクトの街区名称を「羽田エアポートガーデン」に決定したと発表した。羽田空港国際線ターミナルに隣接する43,000平米の敷地に、日本最大規模のエアポートホテルを核として、MICE対応のイベントホールと会議室、天然温泉を使用した展望温浴施設、中長距離ルートを含むバスターミナル、商業施設を備えた複合施設を2020年春にも開業する。

住友不動産事業企画部長兼羽田エアポート都市開発取締役社長の津村健二氏は、この事業について「羽田空港の機能を補完するプロジェクト。不十分なものを増やし、ないものを導入する」と説明する。

▲住友不動産 事業企画部長 兼 羽田エアポート都市開発 取締役社長 津村健二氏

羽田空港の年間旅客数は世界5位の約8,700万人を誇るが、周辺5キロ圏のホテル室数は2,100室と、世界的に見ると旅客数上位の空港の中では圧倒的に少ない。住友不動産によれば、旅客数1位の米・アトランタ空港の周辺5キロ圏のホテル室数は9,200室だという。

▲ヴィラフォンテーヌ プレミア 羽田空港 ロビー

プロジェクトの核となるホテルは、住友不動産で最上位ブランドとなる「ヴィラフォンテーヌ プレミア」160室とハイグレードブランドの「ヴィラフォンテーヌ グランド」1,557室の計1,717室。開業後の羽田空港周辺5キロ圏のホテル室数は約80%増加する。

「プレミア」の客室は33〜173平米の6タイプで、全室リバービュー。ホテル内にはコンシェルジュ、ドアマン、ベルスタッフ、ソムリエなどを配置し、ラグジュアリーならではのサービスを提供する。「グランド」には旅行、出張、MICEなど多彩なニーズに対応する13タイプの客室を用意する。

また、プロジェクトを担当する住友不動産の吉江和章氏が「今回の売りの施設のひとつ」と位置付ける温浴施設「泉天空の湯 羽田空港」は、地下1,500メートルから汲み上げる天然温泉を使用。約2,000平米に大浴場やサウナ、岩盤浴を備える。展望露天風呂からは富士山や空港を発着する飛行機を望むことができる。24時間営業で、早朝・深夜発着便を利用する旅客のニーズに対応する利用プランも期待される。

15の停留所を備えるバスターミナルからは、都心とを結ぶ近距離バスだけでなく、東北や近畿方面など地方都市とを結ぶ中長距離便を含め1日約900便が発着する。羽田空港と日本各地を結ぶアクセス拠点となる、プロジェクトの「目玉の一つ」(吉江氏)だ。このほか、70の飲食・物販店舗や30のレストランなどの付帯施設がオープンする。

住友不動産が「当社史上前例のない挑戦と飛躍」として「第二の創業」と位置付けるこのプロジェクト。同社は施設全体で年間600万人の利用を見込む。発着枠拡大により更なる増加が見込まれる羽田空港利用者の多種多様なニーズを満たすことが期待される。