ANA、JALとハワイアン航空の合弁事業で米運輸省に意見 ハワイ諸島市場から排除懸念

全日本空輸(ANA)は、日本航空(JAL)とハワイアン航空の独占禁止法適用除外(ATI)と合弁事業(JV)の承認申請について、アメリカ運輸省に意見を提出した。

通常、独占禁止法の適用が除外されることによって、航空会社がスケジュールや便数などを調整できるようになるほか、マイレージプログラムなどでのメリットが生まれる一方で、特定のケースにおいてはデメリットが発生するといい、特にハワイ諸島間の路線は、ハワイアン航空のほぼ独占状態にあり、アジア各国の航空会社はハワイ諸島へのアクセスをハワイアン航空とのインターライン契約に依存していることから、独占による競争阻害などの デメリットが発生する可能性があるとした。

ハワイ運輸局のデータでは、ハワイ諸島内の乗客の95%、ホノルル経由でハワイ諸島に向かう乗客の97%がハワイアン航空を利用しているという。日本からハワイ諸島へ向かう旅行者は少数派であるものの、ANAなどのワンワールドに加盟していない航空会社が、ハワイ諸島市場から排除される可能性があるとした。仮に、JALとハワイアン航空と関係がない航空会社をハワイ諸島内のサービスから排除することに成功した場合、両社のフライト以外に選択肢がなくなることや、運賃の高止まりにより、競争が阻害されると主張している。

このためANA側は、アメリカン航空とカンタス航空の合弁事業を認可した際と同様に、提携外の航空会社との間にも、基本的に同等の特別な按分協定を結び、ハワイ諸島内へのアクセスを継続できるようにすべきだと提案している。これにより利用者はハワイ諸島内に引き続きアクセスが可能となり、消費者は最適な旅程を利用することができるほか、運賃も割安なままになるとメリットを強調した。

ANAとハワイアン航空は、2018年3月14日をもって提携を解消している。JALとハワイアン航空は同年4月から共同運航(コードシェア)を開始し、6月にはATIを申請、10月からはマイレージ提携も開始している。

意見書はA4サイズで70ページに及び、公開にあたって一部は伏せ字となっている。