シーザーズ、日本でのIR展開 東京・大阪・横浜・苫小牧の構想発表

シーザーズ・エンターテインメントのマーク・フリッソーラ最高経営責任者(CEO)ら幹部が来日し、2月27日に東京都内で日本での統合型リゾート(IR)開発計画を明らかにした。

政府渉外・CSR担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのジャン・ジョーンズ・ブラックハースト氏、エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高マーケティング責任者のクリス・ホルドレン氏、国際開発社長のスティーブン・タイト氏、日本社長兼代表執行役員のウィリアム・シェン氏も出席した。

マーク・フリッソーラCEOは、テネコの会長兼CEO、ハーツ・コーポレーションのCEOを経て、2015年にシーザーズ・エンターテインメントのCEO兼社長に就任した。テネコ在任中は横浜の技術センターを統括し、日本企業との戦略的事業計画を立案。ハーツはトヨタ自動車の最大顧客であるなど、日本との繋がりもアピールした。

シーザーズ・エンターテインメントは、2017年第3四半期までの12ヶ月間の売上高は81億米ドル、トータルリワーズの会員数は5,500万人以上を誇る。アメリカの13州と世界5カ国で展開する施設数は53ヶ所で年間約1億人が訪れている。最も多くの施設を擁するのはラスベガスで、シーザーズパレス、フラミンゴ・ラスベガスなどの大規模で特長ある施設が多い。さらに、51,000平方メートルの広さのコンベンションセンター「シーザーズ・フォーラム」の開発も計画している。

IRはカジノに焦点が当てられがちであるものの、シーザーズ・エンターテインメントでは、ファミリーを重視することや環境との調和をアピール。ラスベガス中心地にある屋外の小売・レストラン・エンターテインメント施設「ザ・リンク」や、世界最大の観覧車「ハイローラー」といった”ノンゲーミング資産”も重要であることを強調した。世界最高のレストランとして、シーザーズ・パレス内の日本料理店「NOBU」も紹介した。

日本でのIR参入に向けた活動は約15年に及んでおり、政府関係者へのアドバイスや支援、研修セミナーなども行っているという。大阪、横浜、東京、苫小牧の4ヶ所の候補地のコンセプトを発表した。大阪ではヘルスケアと健康をテーマとし、MICEやメディカルツーリズムによる再生や若返りをテーマとした。苫小牧は地域特性を踏まえた統合型”エコ”リゾートとして、あらゆる美を探求するとした。中でも苫小牧はコンセプト動画を放映するなど、強い意欲を見せた。問題のあるギャンブリングに関する啓蒙など、日本での責任あるゲーミング対策に2,500万円を拠出することも明らかにした。

マーク・フリッソーラCEOは、「日本市場はエキサイティングな市場で、理念に合致している。人口が集中しているエリアでのIRは地元からも、国際的な観光客を呼べることからも成功する。」と自信を示した一方で、入場料などの制限といった制約により、「週何回かしか来れないことでのめり込むこともある。ギャンブルの機会は他にもあるので、責任あるゲーミングを啓蒙して対応の方法を検討する。」とした。投資額は政府の制約により変動があるとしており、厳しい縛りは「IRのメリットも制約される。」と牽制した。

シーザーズ・エンターテインメントの幹部らは、松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長にも面会し、夢洲でのウェルネスツーリズムを取り入れたIRについて意見を交換した。エリック・ヘッシン最高財務責任者(CFO)は「Nomura Global Real Estate Forum 2018」、右田幸グウェンサステナビリティ事業チーフは「サステナブル・ブランド国際会議2018東京」で講演した。

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