じゃらんリサーチセンターと熱海観光局、AIクチコミ分析で宿泊プランを造成 平日予約が12%増

リクルートのじゃらんリサーチセンターと熱海観光局は、静岡県熱海市が観光戦略に掲げる「需要の平準化」に向け、宿泊施設の商品づくりを支援する取り組みを実施した。42施設が計99の宿泊プランを造成し、熱海市全体の平日宿泊予約は前年同曜比12.0%増となった。

熱海市は年間約350万人が宿泊する観光地だが、宿泊需要が週末や連休に集中しやすく、繁閑の差が課題となっている。「熱海市観光基本計画2026-2030」では需要の平準化を重要目標達成指標(KGI)に位置付けており、今回は夏から秋へ需要をつなぐ9月の平日を重点時期とし、大学生を含む20〜30代を主なターゲットとした。

じゃらんリサーチセンターは「じゃらんnet」のクチコミデータを、朝食・風呂・接客などの「テーマ」、年代・利用シーンなどの「属性」、月・季節などの「時期」を掛け合わせてAIで分析。地域全体と個別の宿を同じ切り口で分析し、各宿の強みや改善余地、ターゲットに合うプラン案や告知文案を「AIクチコミ診断書」としてまとめた。診断書にはプラン名、対象、販売時期、食事条件、特典、写真の方向性、掲載・告知文のイメージまで記載した。

6月2日には宿泊施設向けセミナーを開催し、参加者は自館の強みと打ち手の仮説を考えたうえで、診断書と照らし合わせた。どの提案を取り入れるかは各宿が判断する形とした。その後、各宿は共通企画「まだ終わらない夏」のもとで宿泊プランを造成。熱海観光局は特設ページ、宿泊クーポン、縦型ショートドラマ動画を組み合わせたプロモーションを展開した。

8月25日から9月18日チェックイン分の対象プランの予約では、79.4%が平日(月〜金曜)の宿泊で、予約者の43.9%を20〜30代が占めた。年代別では20〜24歳が5歳刻みで最も多く、取扱額は1,900万円を超えた。

同期間の熱海市全体の「じゃらんnet」宿泊予約では、平日の予約が前年同曜比12.0%増加し、予約全体に占める平日の割合も69.6%から71.9%へと2.3ポイント上昇した。

じゃらんリサーチセンターの松本百加里研究員は、「今回最も大切にしたのは、地域の戦略を『宿が実際に売り出せる形』にまで落とし込むこと」とコメント。熱海観光局の上田和佳CEOは、「今後も取り組みの成果を地域全体で共有・検証しながら、各施設の商品づくりや販売促進を継続的に支援する」と述べた。

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