1,000人超のツアー客が日本中から集まる、「MSCベリッシマ」の那覇発着ショートクルーズに参加した【レポート】

バルコニー付きの船室、一人利用でもゆとりなし

船室はバルコニー付きにしたが、結局はバルコニーであまり過ごすことはなかった。窓付きのオーシャンビュー、内側客室とそれほど価格差はなかったから選んだのだが、気温はちょうどよかったが風もあったので、ちょっと寒かった。

客室は大きいスーツケースを広げっぱなしにすると、ほぼ足の踏み場もない状態。本来はクローゼットを活用すると思うが、数泊だとその作業すら億劫だったので、広げっぱなしにすることに。テレビを楽しむといっても選択肢は日テレNEWS24などに限られているので、娯楽といった娯楽は客室内にない。結果的に客室外で過ごす時間のほうが多くなった。ベッドは寝返りを打てないほど狭く、1人でもシングル2台をくっつけて利用したほうが快適。

さらに、部屋にはシャワーブースにボディソープ、電気ポットとコップ、緑茶と紅茶くらいしか備え付けられておらず、それ以外は持ち込む必要がある。乗船前に国際通りのドン・キホーテで、歯ブラシとシャンプーやリンス、ペットボトルの飲料を購入。ティッシュやスリッパもないというので、家から持参した。

ちなみに、ステータスマッチによってMSCボヤジャーズクラブのゴールド会員になった。ステータスマッチとは他社の上級会員を自社の上級会員としてマッチングするもので、ホテルや航空会社のステータスが利用できる模様。ゴールド会員の特典は大したことはなく、客室にバスローブとスリッパが設置され、ギフトとしてナップサックがもらえた。スパが1回無料、アクティビティの割引などの特典もあるらしいが、結局利用しなかった。

ユーチューバーが投稿したYouTube動画では、洗濯物を干すスペースがないとか、ハンガーが足りないとか、乾燥しているとか色々と意見があったが、長期間のクルーズになるとそういった不満が出てくるかもしれない。筆者は全部持ち込んだので、あまり不満には感じなかった。それもそう、わずか5日間のクルーズに20キロ弱の荷物を持ってきたのだから。

アルコール類や食品、飲料、電気ポット、衣類用アイロンなどの持ち込み禁止物がある。室内にはドライヤーやヘアアイロンは備え付けられていなかった(と思ったら、実は部屋にあったようだ)。どうやらいずれも持ち込み禁止物だったようだが、許可されるようになったらしい。電源は日本と同じAタイプもあった。枕元には電源がないので注意が必要。

船内のカフェでイタリアンコーヒーを飲んだり、パブで世界のビールを楽しんだり、本場のジェラートで舌鼓、カジノで熱い一勝負をしていたほうが、狭い部屋で過ごすよりはるかに楽しい。最初は節約しようと思っても、こうやって散財に慣れていくのだ。そして全部クルーズカード一枚を提示するだけ。船を下りた後、忘れた頃に請求が来るのである。

出港後、もちろんカジノにも繰り出した。ルーレットは10米ドル、ブラックジャックは25米ドルが最低ベット額。近年のマカオやシンガポールのカジノに比べると超良心的。マシーンのルーレットやスロットもあるし、初心者には60個の中から5つの数字を選ぶロトもあったので、挑戦しやすい。結果はもちろん、お布施である。

同行者とは別室で一人部屋だったが、次回乗ることがあれば、数日のクルーズであればもうちょっと広くて高い部屋で同室、ということでもいいという結論になった。一方で、1週間を超える日程なら、いくら気のおけない友人であっても、別部屋のほうが心の治安が保たれるような気もする。

衛星Wi-Fiのオプションを購入せず、船内で退屈しそうなら、本を持ち込むのもおすすめ。録り溜めたテレビ番組を消化するのもいいし、よいデジタルデトックスの機会とポジティブに捉えてみるのもいいかもしれない。私には絶対に無理。

唯一の寄港地、台湾・基隆に到着

朝、けたたましい音とともに、基隆に着いた。下船開始時刻は午前7時半と聞いていたが、準備があるので当然のごとくもっと早く着く。台北市内まで行く予定だったので、最初の乗客が下船したことをバルコニーから確認して下船準備を整えた。

同行者とはまずは一番遠い、台北市内へ向かうという案を練った。帰りは時間がなくなればタクシーを躊躇なく使い、時間が残れば基隆を観光しようということに。先に基隆を観光してから台北に行くと、時間の読みが難しいという理由で、先に遠くに行き、後から時間を調整する戦法。朝夕の渋滞も読めないし、予定通り下船できるのか、入国までにどれくらい時間がかかるのかなどわからない点も多く、余白を確保しておいた。

午前7時半過ぎに下船し、クルーズカードをスキャンし、検疫を通過。下船する台湾人客も多いが、スムーズに進む。パスポートはクルーズ乗船時に預けており、コピーを所持するのみでいい。市内で免税の払い戻しを受ける際にもコピーで充分だった。対面での入国審査はない。

台北へはクルーズターミナル前の基隆駅から、台鉄の自強号で向かう。乗っていたのはほぼクルーズ客。自動券売機で、クレジットカードのタッチ決済を利用して乗車券を購入する。わずか40分程度で着いた台北駅では、郵便局で同行者が両替。基隆港と比べればちょっと良いレートという印象だが、筆者が利用したRevolutのほうがさらにレートがよかった。わずか半日の滞在で使う金額も限られているので、あまりレートを考えなくてもいいかもしれない。筆者はコロナ前に両替していた、残りの台湾ドルを使う。あの頃の自分に感謝したい金額で気が大きくなり、さらに散財に拍車がかかる。

駅前にはなぜか、東武鉄道のスペーシア100系も展示されていたので記念撮影。東武鉄道と台鉄の友好協定締結10周年を記念して、東武鉄道から台鉄に寄贈され、展示されているのだという。自宅の近所を走っていた車両なので、妙に感動した。

朝食は台北駅近くの路上で、豚肉が挟まったトーストとコーヒーで軽く済ませて、地下鉄で国家鉄道博物館へ向かった。日本で活躍した583系車両がどういうわけかそのまま展示されている。理由はどこにも書かれていないのだが、日本車両の展示はブームなのだろうか。さっぱりよくわからない。

バスに乗って台北101へ行き、お土産購入。台湾のウイスキーやお茶などを購入し、トリップドットコムのキャンペーンで2名分が1名分の価格で予約ができた、台湾料理の人気店「鼎泰豊」のコースを堪能。本来は1人5,224円のところ、2人で同額。通常の待ち時間は1時間以上のところ、このチケットでは順番をスキップできるので、30分程度で入店できた。限られた観光の時間を節約できてうれしい。

名物の小籠包から炒め物、チャーハン、酸辣湯、デザートの餡入り小籠包まで、次から次へと出てくる料理を堪能し、お腹いっぱい大満足。コースだったこともあり、周囲のテーブルよりも早いペースで何でも運ばれてくるので、内容の割に時間はかからなかった。

お腹を満たしたところで、同行者の大きな希望で最後の観光地となる、行天宮と占い横丁へ地下鉄で向かう。

占い横丁は曜日や時間のせいもあってか、閑古鳥が鳴いている。占い師が「高田純次も来た、おすすめ」と日本語で呼び込んでいる。最も信じていけない人の筆頭格ではないだろうか。

狭い横丁で2周目の吟味を始めた同行者に、「これもまた勘」と言って、適当な占い師のもとへ誘導。生年月日と生まれた時間などを紙に書き、年季の入った占い本と米粒で占われているのを隣で見物。筆者は占いの類は一つも信じていない。結局、「婚活は短期決戦、離婚したら二度目はない」「家は2軒、借金して買え」「痩せなさい」と日本語で言われていて、筆者は隣で大笑い。最も台湾らしい(筆者には無料の)アトラクションとなった。

当たってるのか当たってないのかはさておき、価格は1,200台湾ドル。1台湾ドル=5円を超えた台湾、もはや安く楽しめる目的地ではない。

全く時間通りに来なかったバスに乗り、基隆へ。最終乗船時間に遅れたらまずいので、1時間以上を残して船に戻った。結果的には食事も観光も盛り沢山の大満足コース。様々な要素がうまく成り立たないと、スムーズに進まないはず。昼食を予想より早く済ませられたのが勝因か。いや、占い2軒目とか言われなかったことが奏功したのかも。

早朝から歩き疲れたので客室に戻って昼寝をしていると、けたたましい音とともに暗闇の基隆を出港。ほぼ丸一日をかけて、那覇港へ戻る。

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