JAL、767型機40周年で記念チャーター 機内で超難問クイズ大会も

日本航空(JAL)は、ボーイング767型機の就航40周年を記念したチャーターフライトを運航した。

イベントは10月31日と11月1日の2日間にわたる日程で、初日は成田空港の格納庫で767-300ER型機を見学して運航乗務員や整備士の解説を受け、2日目に実際のフライトで性能や特性を実際に体感してもらおうというもの。ビジネスクラス利用は91,700円、エコノミークラス利用は76,700円という設定で、JALによると応募数は890名、倍率は約5.9倍に上ったという。

このうち、11月1日のチャーターフライトには148名が参加。767-300ER型機(機体記号:JA617J)がアサインされたチャーターフライトは、午前11時1分に成田空港の68番スポットを出発。767型機の魅力でもある“ドッカン離陸”で同23分にA滑走路を飛び立つと、進路を北に取り、新潟市付近を経由して南西方向へ。金沢市付近に到達すると今度は南に進み、日本アルプス付近の上空では航跡で「767」の文字を描いた。その後、静岡県浜松市付近から太平洋に抜けて成田空港に向かい、午後1時44分にA滑走路に着陸すると、ターミナルではなく南部貨物地区に向かい、JALの格納庫前で一旦停止。トーイングカーに牽引されて格納庫内に入り、午後2時9分に到着した。

チャーター便には通常の運航乗務員2名と客室乗務員8名に加え、参加者と交流するパイロット2名と、客室乗務員3名が同乗。通常の乗務ではない客室乗務員3名はそれぞれ、JALが767型機を導入した1985年当時の6代目制服、1988年から1996年まで使用された7代目制服、1996年から2004年まで使用された8代目制服で参加者を出迎えた。

飛行中の機内では、運航乗務員とCAのトークショーや、運航乗務員や整備士が作問したクイズ大会が行われた。CAの一人は、「入社前は787型機や350型機が好きだったが、入社後は乗務のしやすさや迫力のある上昇で767型機の大ファンになった」とエピソードを披露。クイズ大会では、「エンジンパラメーターのうち、エンジン整備センターにあるテストセルでしか計測できないものは何か」、「767型機の発電機は1台あたり一般家庭(30A契約)何軒分の電力を賄えるか」といった難問が20問出題された。

到着後の格納庫内では、クイズ大会の結果発表と表彰式を実施。惜しくも全問正解の参加者はいなかったが、19問正解の猛者が2名現れるなど、参加者の「767愛」が感じられるイベントだった。

イベントを企画したのは、運航訓練部 767訓練室で飛行訓練教官を務める鈴木伸二郎機長と、767運航乗員部 業務グループの三好真由さん。参加者と社員全員で767型機の40周年を迎えたいとイベントを発案した鈴木機長は、「767が40年飛べたのはお客さまがあってこそ。お客さまに喜んでいただきたいという思いで考えた」とコメント。普段は運航乗務員のスケジュール作成を担当しており、イベントの企画は初めてだったというという三好さんも、「整備や空港側など様々な関係者と調整を進め、お客様にとにかく楽しんでいただきたいという思いで作り上げた」と話した。

チャーター便をそのまま格納庫に到着させることについては、成田国際空港(NAA)などに事前に相談したところ、「成田は767の就航数が多く、好意的に受け取ってくれた」(鈴木機長)とスムーズに調整が進んだという。

▲イベントを企画したJAL 運航訓練部 767訓練室 飛行訓練教官鈴木伸二郎機長(左)、767運航乗員部 業務グループ 三好真由さん

JALは、767型機の初号機となる767-200型機(機体記号:JA8231)を1985年7月23日に受領。同年11月1日に東京/羽田〜福岡線で初就航させた。現在は長胴・航続距離延長型の767-300ER型機24機と、貨物専用型の767-300BCF型機3機の計27機を保有している。

▲767型機の導入当時に使用していた3代目制服姿で参加者を迎える地上係員

▲機内で提供された弁当。767型機が就航する国内各都市をイメージした食事を詰め合わせた