 
                                        AirJapan、運航を終了 デュアルブランド戦略へ転換
キャピタルA(旧エアアジアグループ)は、事業再編が最終段階に達したことを、クアラルンプール市内で開いた発表会で明らかにした。
エアアジアXが、キャピタルAの航空部門であるエアアジアとエアアジア・アビエーション・グループを買収し、マレーシアとタイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアの短距離路線航空会社と、マレーシアとタイの中長距離路線航空会社の計7社を統合する。社名はエアアジアグループに改め、「エアアジアX」のブランドは廃止する。タイ当局からは10月17日付で規制免除を受けている。
今後10年間で保有機材数を2倍以上となる600機、年間旅客数を1億5,500万人にまで大きく拡大させる。アジアで接続網を構築しつつ、中東とヨーロッパにもハブを設ける計画。地域の複数の主要ハブを通じ、ナローボディ機を中心としたネットワークを構築することになる。中東ハブが最も実現性が高く、ヨーロッパ進出への足がかりになるという。現在の就航都市は143都市と多くを網羅していることから、今後10年では20〜32都市への新規乗り入れに留まる。エアバスA330型機の発注はキャンセルし、600機のうち約580機は単通路機となる。150機の追加発注も見込む。
キャピタルAは航空事業以外の持株会社として、エンジニアリング、物流、旅行プラットフォーム、飲食、知財の5社を傘下に置き、事業を展開する。年内にもマレーシア証券取引所によるPN17(注意銘柄指定)の指定解除を目指している。
トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、「私たちにとって簡単なことは何もなかった。全てが本当に本当に厳しく、楽な道は一切なかった。コロナ禍だけでなく、PN17という事態も発生し、これはおそらく創業時と同等かそれ以上の困難だった。私たちが成し遂げたことの規模は、誰も本当に理解できないだろう。255機もの航空機が地上に置かれた状態。21,000人の従業員が自身のキャリアの見通しを持たない状況。ほとんどの航空会社が政府から多大な支援を受けている中で、良し悪しはさておき、正直に言えば、この状況が我々をより強くした」と、コロナ禍から現在までを振り返った。
運航停止中の機材数は15機で、年内にすべての機材にあたる255機の運航が可能になる可能性は極めて高く、運航停止中の機材の維持費がなくなることから、2026年の収益性はより高まるという。
フェルナンデスCEOは、最終目標は「エアアジアが全世界を網羅する航空会社となること。そして今や、それを実現する機材を保有している」として、「私の任期中に達成できないため、次のCEOが担う課題となる」と話した。
総額10億米ドルにのぼる顧客への返金をすべて完了し、コロナ禍に解雇した従業員2,000人全員の再雇用、社員に対してはボーナスの支給や勤続10年表彰の維持を約束した。(記事の一部を修正しました)