ANA、A380「フライング・ホヌ」就航5周年 くす玉とケーキで“誕生日パーティー”

全日本空輸(ANA)は5月24日、エアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」が就航から5年を迎えたことを記念して、成田空港でイベントを開いた。

記念イベントは、初号機(機体記号:JA381A)をイメージしたキャラクターの「ラニ」の「5歳のバースデー」と銘打って開催。成田空港内の保育ルーム「たんぽぽ」の子どもたちがバースデーソングを披露したほか、2号機(同:JA382A)と3号機(同JA383A)をそれぞれイメージした「カイ」と「ラー」が駆けつけ、くす玉割りとケーキのプレゼントで“誕生日”を祝った。

なお5月24日は、東京/成田を午後8時10分に出発するNH184便に初号機、午後9時30分に出発するNH182便に3号機が投入された。

ANA(エアバスA380型機、ダニエル・K・イノウエ国際空港)

ANAのA380型機は、同社を傘下におくANAホールディングス(ANAHD)が2016年1月29日に3機の発注を発表。3機とも客室仕様は同一で、1階がエコノミークラス383席、2階がファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミークラス73席の全520席。エコノミークラスには、横並びの3席または4席のレッグレストを上げてベットのように使用できるカウチシート「ANA COUCHii」を備えている。

FLYING HONU(フライングホヌ)

機体デザインは公募で決定し、「ハワイの青い海でゆったりとくつろぐホヌ(ウミガメ)の親子」を描いた。3機それぞれテーマカラーが異なり、初号機(機体記号:JA381A)はハワイの空をイメージしたブルー、2号機(同JA382A)はハワイの海をイメージしたエメラルドグリーン、3号機(同JA383A)はハワイの夕日をイメージしたサンセットオレンジとなっている。

初号機は2019年3月14日、2号機は5月15日に受領し、5月24日に初号機が東京/羽田発・ホノルル行きのNH184便として就航した。就航当初は週3往復体制で、6月18日に2号機が就航。7月2日から週10往復体制となった。

▲フライング・ホヌの機内見学会

しかし、2020年に入ってコロナ禍が拡大したことにより、3月24日のホノルル発・東京/成田行きNH181便を最後に、約1年5か月に及ぶ運休期間に入る。定期便の運航がない間は、機内見学や機内レストラン、遊覧飛行などのイベントに活用された。ANAによると、機内レストランイベントは全33回で計10,031人が参加。遊覧飛行は全46回で計12,192人が参加したという。

東京/成田〜ホノルル線への投入は、2021年8月9日から一時的に再開。その後、2022年7月1日から週2往復体制で本格的に定期便運航が再開し、2023年4月20日にデイリー体制が復活した。

3号機はそのさなかの2021年10月13日に受領。一方で、運航を開始したのは受領から2年後の2023年10月20日だった。3号機が加わったことで、12月6日からはダブルデイリーとなる週14往復体制が確立。今年のゴールデンウィーク期間のホノルル線の旅客数は2019年度比で約1.4倍を記録し、過去最高となった。5月11日時点での累積搭乗者数は843,928人となっている。

ANAの岡功士・成田空港支店長は、「5年前のスタートは非常に好調で、毎日満席のお客様を迎えることができた。コロナ禍で運航自体が止まっていた期間はイベントなどでご愛顧いただき、2013年12月に最終形のダブルデイリー体制になった。感慨深い」と就航からの5年間を振り返った。

ANA(エアバスA380型機、ダニエル・K・イノウエ国際空港)

東京/成田〜ホノルル線のうち、フライング・ホヌ投入便の有償座席利用率は、2019年は94.8%と極めて高い水準を維持していた一方、コロナ禍後の2023年は69.7%、2024年は53.9%(5月11日時点)と苦戦が続いている。岡支店長は、「アウトバウンドついて、ビジネス需要はある程度戻っているが、観光渡航は円安と物価高で未だ厳しい状況。心理的な壁がある」と指摘。「ホヌのホノルル線はアウトバウンドの象徴路線。夏に向けて回復させたい」と意気込みを見せた。