日本の入国審査、出発前に実施 函館など10空港行きで

大泉潤函館市長

日本の入国審査官を出発国の空港に派遣し、事前に入国審査を実施する「プレクリアランス」を、台北/桃園から日本の10空港へ向かう便を対象に実施する。

東京都内で開催した記者会見には、函館市の大泉潤市長、出入国在留管理庁の君塚宏出入国管理部長、国土交通省航空局の蔵持京治航空ネットワーク部長が出席し、概要を説明した。

2月の1か月間、桃園国際空港の搭乗口付近にブースを設け、対象便利用者に任意に利用を呼びかける。身分確認やブラックリストとの照合、写真や指紋採取、入国目的の確認などを事前に行うことで、到着空港では再度の身分確認とスタンプの押印のみでスムーズに入国ができる。対象空港は函館のほか、旭川、秋田、仙台、花巻、山形、福島、新潟、小松、高松の10空港。台北/桃園発着便がある、主に北海道と東北地方の地方空港を選んだ。成果を踏まえた上で、期間の延長や対象空港の拡大も視野にいれる。

特に地方空港では入国審査に時間を要し、到着から30分〜1時間程度を要するケースもあるといい、到着空港でのスムーズな入国でイメージアップを図るほか、滞在時間の長時間化による観光消費額の拡大も見込んでいる。

函館発着の国際線は、週5往復を乗り入れるタイガーエア・台湾と、2月に就航し、3月に1日1往復に増便するスターラックス航空の台北/桃園線が大半を占める。現在も95%程度が台湾からの入国者だといい、最も恩恵を受ける空港の一つとなる。

大泉市長は、「もっと世界の人に、函館が持つ魅力、北海道が持つ魅力をみていただきたい」とした上で、西側に集中する観光客のゴールデンルートだけではなく、北海道や東北地方を含めた東日本への周遊も活性化させることで、「北海道経済の底上げに力を尽くしたい」と話した。

2月3日に函館市内の花びしホテルで、「地方空港の国際線の拡充にかかるシンポジウム」を開催する。地方空港への国際線の拡充で、訪日外国人の恩恵を地域に拡大することなどに焦点を当てたもので、大泉市長ら6人が講演やパネルディスカッションを行う。