【特集】JALの新国際線機、エアバスA350-1000 初の扉付き個室・ファーストクラス編

日本航空(JAL)が国際線の新たなフラッグシップとして導入するエアバスA350-1000型機が、フランス・トゥールーズのエアバスのデリバリーセンターで公開された。本稿では、同型機としては世界で初めて設定されるファーストクラスを特集する。

ファーストクラスは全6席で「1-1-1」配列。座席はイギリスのサフラン・シーツGB製で、JALとして初めて扉付きの個室タイプを採用した。個室の壁の高さは約157センチにも及び、高いプライバシー性を確保している。

シートピッチは約211センチ、座席幅は最大123センチ。1席あたりの居住空間は従来のファーストクラスの約1.3倍になった。頭上の荷物収納棚を設けないことで、約2.4メートルの天井高を活かした開放感ある空間とした。

座席には横浜市のメーカー・横浜フォームラバー製の体圧分散構造クッションを採用。シート全体を座席にした「ソファーモード」、座席とベッドを同時に使える「シート&シングルベッドモード」、全体をベッドにした「ダブルベッドモード」の3種類のモードを好みで選択できる。ソファーモードでは家族で集まったり、ビジネス客が打ち合わせしたりするシーンを想定し、最大3人が並んで着席できるようになっている。ベッドにした場合の長さは最大約203センチになる。

個室の扉は半透明のデザインで、プライバシー性を確保しながらも密閉感を軽減。開発担当者によると、これは日本の伝統建築に見られる、襖や障子で仕切られた連続性のある空間に着想を得たものだという。

機内エンターテインメント(IFE)は4K解像度モニターで、画面サイズは43インチ。Bluetoothで乗客自身のワイヤレスヘッドホンと接続できる。ヘッドレストにはフランスの音響メーカー・デビアレ製のスピーカーが内蔵されており、ヘッドフォンなしでも音楽や映画を楽しめる。JALによると、座席内蔵スピーカーを航空機に導入するのは世界で初めて。

エアバスA350-1000型機は、2024年1月24日に東京/羽田〜ニューヨーク線でデビュー予定。当面は隔日で投入される。年度内には2・3号機を導入予定で、2号機の導入後は同路線に毎日投入される。3号機の受領後は東京/羽田〜ダラス/フォートワース線でも運航する。

▲ソファーモード

▲シート&シングルベッドモード

▲ダブルベッドモード

▲個室の扉を閉めた状態

▲高さのある個室壁でプライバシー性を確保

▲一方で荷物収納棚を廃し、天井の高さを強調した

▲IFE用コントローラーはタブレットタイプに