関西国際空港、飛行ルート新設へ 滑走路運用も変更

関西国際空港

国土交通省航空局は、関西国際空港と神戸空港の飛行経路見直し案の中間とりまとめを公表した。

現在、関西3空港では地元との合意により、国際線の発着は関西国際空港に限定し、神戸空港の発着回数は1日80回を上限としている。

関西国際空港では2030年代前半の年間発着回数30万回の実現や、2025年の大阪・関西万博に向けた整備のため、1時間あたりの処理能力をおおむね60回に引き上げることや、神戸空港では国内線の最大発着回数を1日120回に拡大し、国際線定期便を、2030年前後に1日最大40回を限度に運用を可能とすることを実現するため、国に対して飛行経路の見直しについて検討を要請していた。

関西国際空港では現在、2本の滑走路を離陸専用と着陸専用に分けた運用を行っており、処理能力は1時間あたり概ね60回であるものの、現行では出発時に大阪湾内を大きく旋回することや、着陸時には飛行制限空域が存在することから制約が生じている。さらに、明石海峡上空の混雑により管制上の不可が大きく、最大発着回数は46回となっている。

見直し案では、関西国際空港では陸地上空の制限高度を5,000フィートに引き下げ、西・南西方面の出発ルートを現行の2経路から4経路へ増やし、淡路島上空への飛行経路を新設する。到着ルートも北風運用時には1経路、南風運用時は3経路を新設する。到着経路の制限高度も見直し、淡路島上空のルートや紀の川ルートの陸地上空で4,000フィート以上の飛行を可能とする。着陸復行の経路を確保するため、現在のA滑走路を離陸、B滑走路を着陸専用とする運用を、A滑走路を着陸、B滑走路を離陸専用とする運用に入れ替える。神戸空港でも衛星航法を用いたRNP出発方式を導入することで、明石海峡上空を通る到着経路の南側に出発経路を新設する。

6月25日に開かれた関西3空港懇談会で、地元への報告が行われた。地元で環境検証委員会が設置され、環境面への影響等について検証が行われる。