“空のカーナビ”2040年実現へ 日米など4か国、787-10で試験飛行

国土交通省航空局(JCAB)は、米国、タイ、シンガポールの各航空当局と共同で、次世代航空交通システム「TBO」の試験飛行を実施した。

TBOとはTrajectory Based Operations(軌道ベース運用)の略で、各航空機の出発から到着までを一体管理し、最適な経路と通過時刻を常に調整する運用方法。出発前に気象や混雑など運航に関わる情報を航空会社と関係機関の間でリアルタイムに共有し、経路や通過・到着時刻を調整する。飛行中は気象の変化などに基づいて、最適な経路や高度に修正。カーナビのオートリルートのイメージだ。JCABによると、TBOにより定時性向上のほか、空域混雑や上空待機の解消による二酸化炭素(CO2)排出削減などの効果が見込まれるという。

JCABはアメリカ、タイ、シンガポールの各航空当局と共同で、4か国間でTBOに取り組むプロジェクト「MR TBO」を発足。2年目となる今年、ボーイングの協力により、世界で初めて旅客機でのデモフライトを実施するに至った。

▲成田空港に到着したボーイング787-10型機の試験飛行機「ボーイング・エコデモンストレーター・エクスプローラー」初号機

使用されたのはボーイング787-10型機の試験飛行機「ボーイング・エコデモンストレーター・エクスプローラー」初号機(機体記号:N8290V)で、米国・シアトル近郊のエバレットを現地時間6月11日午前9時頃に出発。成田空港には12日午前11時頃に到着し、ウォーター・サルートで迎えられた。

▲エバレットから東京/成田までのフライトを担当したボーイングのパイロットら

JCABとボーイングは成田空港で会見を開き、JCABの高橋広治・交通管制部長とボーイングのパティ・チャン・チェン・ヴァイスプレジデントが、MR TBOに関する共同宣言に署名した。

高橋部長は「これまでは管制機関、航空会社、空港会社がそれぞれのシステムを構築しており、統一化が進んでいなかった」と取り組みの背景を説明し、「カーナビでは状況に応じて最適なルートが推奨されるが、それと同じようなことが飛行機でもできるようになる」と展望した。2040年の実用化を目指すという。

デモフライトは6日間の行程で、試験飛行機はあす13日午後1時頃に成田空港を出発し、シンガポールに向かう。その後、バンコクを経由してシアトルに戻るという。

▲「ボーイング・エコデモンストレーター・エクスプローラー」の機内MR TBOを説明するボーイングの担当者

▲共同宣言に署名するボーイングのパティ・チャン・チェン・ヴァイスプレジデント(左)とJCABの高橋広治・交通管制部長