大成建設、札幌HBC跡地で建設中の高層ビルで施工不良 「ハイアット セントリック」入居予定、竣工は2026年6月末に

ハイアット セントリック 札幌

大成建設は、旧北海道放送本社跡地で建設が進められている「(仮称)札幌北1西5計画」で、鉄骨建方の精度不良を発生させ、是正工事のため竣工が約2年4か月遅れることを明らかにした。

大成建設の検証によると、複数箇所で発注者と定めた品質基準を満たさない鉄骨建方、スラブ厚の精度不良が発覚したという。また、工事監理者への正確な報告義務があるところ、一部異なる数値を報告していた。

是正工事には、地上部分の全て、地下部分の是正対象部分を撤去した上で再構築が必要であるため、竣工時期は当初の2024年2月から、2026年6月末に約2年4か月遅れる見込み。大成建設では、工事原価の増加は精査中であるとしている。建築部門の責任者と札幌支店責任者の取締役と執行役員が辞任する。

「札幌北1西5計画」では、地上26階・地下2階・塔屋1階建て、敷地面積4,606.21平方メートル、延床面積60,916.06平方メートルの複合施設を建設していた。エヌ・ティ・ティ都市開発が事業主となって進められ、2024年春の開業に向けて、飲食店テナントの出店説明会も開かれていた。

北棟の17階から26階部分には「ハイアット セントリック 札幌」が入居予定で、札幌最高層となる17階にロビーを設け、マルチファンクションスペースやフィットネス施設を備えたホテルとする見通しだった。ハイアットは取材に対し、「残念に存じております」としながらも、現時点でのコメントは控えるとした。

北棟の3階から16階部分はオフィス、南棟の2階から7階部分はインキュベーションオフィス、地下1階から2階部分は店舗などを設け、地下2階からは北1条地下駐車場公共地下歩道へ接続する見通しだった。