1フライトが約1,500マイル! 知る人ぞ知る最強のANAマイルの使い道とは?【コラム】
アラスカ航空改悪 救いの神?”キャセイ”は使えるのか【橋賀秀紀のフカボリ!】
さあ、改悪を嘆いていても仕方がない。マイラーは常に与えられた条件の中でスイートスポットを探し、利用するだけである。幸いにも「マイレージプラン」には、JALのほかにもう一つ利用価値の高い航空会社がある。それがキャセイパシフィック航空だ。キャセイパシフィック航空の特典航空券はアラスカ航空への電話予約しかできず、ハードルが高かった。それが2022年秋から、オンライン予約が可能となり、使い勝手が飛躍的に向上している。
キャセイパシフィック航空のアジア内の必要マイル数(片道)は以下のとおりである。2023年3月14日時点で引き上げは行われていない。
・アジア内
エコノミークラス:12,500マイル
プレミアムエコノミー:15,000マイル
ビジネスクラス:22,500マイル
ファーストクラス;27,500マイル
有償航空券との比較でいえば、ファーストクラス、ビジネスクラスということになる。だが、日本と香港の間のファーストクラスは特典枠として表示されないようだ(ごく短期間、ファーストクラスも予約可能だった時期がある)。
キャセイパシフィック航空は香港~ヨーロッパ間にもフライトがあるが、日本~香港~ヨーロッパ間の特典航空券を発券することはできない(香港~ヨーロッパ間であれば可能)。なお、日本~香港~アメリカ間は可能で、エコノミークラスなら片道30,000マイルでカバーできる。
そこで、日本在住者の多くにとって必要マイル数が少なく利用価値が高い、キャセイパシフィック航空の日本~香港~東南アジア・南アジア内特典航空券の絞って検討してみたい。
まず、キャセイパシフィック航空のアジア内路線はどこに就航しているのだろうか(2023年4月時点)。
日本:札幌/千歳・東京/羽田・東京/成田・名古屋/中部・大阪/関西・福岡
東南アジア:フィリピン(マニラ・セブ)、ベトナム(ハノイ・ホーチミン)、カンボジア(プノンペン)、タイ(バンコク・プーケット)、マレーシア(クアラルンプール・ペナン)、シンガポール、インドネシア(ジャカルタ・デンパサール・スラバヤ)
南アジア:インド(デリー・ムンバイ・チェンナイ・バンガロール・ハイデラバード)、ネパール(カトマンズ)、スリランカ(コロンボ)、バングラディシュ(ダッカ)
この中でも、特に狙い目は南アジアだろう。他の多くのマイレージプログラムでは、日本から南アジアへ飛ぶ場合、東南アジアよりも必要マイル数は多い。だが、アラスカ航空のキャセイパシフィック航空特典ではすべて同じマイル数でカバー可能だ。ただし、2023年3月14日時点で香港~コロンボ間の特典枠は用意されていないようだった(以前は表示されていたことがある)。
東南アジアについては、日本からの直行便が豊富にある定番の都市よりも、セブ島、プーケット、ペナン、デンパサールなどが相対的におすすめといえる。ジャワ島東部のスラバヤなども面白い。
「JALの代わりにキャセイ」と書いたが、香港経由のためにどうしても所要時間がかかってしまう。南アジアともなれば、行き帰りのそれぞれ丸一日消化することを覚悟しなくてはならない。デリーに夜までいて、翌早朝には羽田に着けたJALの利便性と比べると見劣りしてしまう。
だが、見方を変えれば、行きないし帰りに香港へも無料で寄ることができる(ストップオーバーは不可)ので、あえて香港の滞在時間が長くなるフライトを選択することで、一粒で二度おいしい旅行となる。ビジネスクラスであれば、ワンワールドのステータスとは無関係に香港国際空港の「ザ・デッキ」や「ザ・ピア」という名物ラウンジを利用することもできる。
ただし、このキャセイパシフィック航空の特典航空券の必要マイル数が引き上げられる可能性は常にある。少なくとも現行のマイル数よりも引き下げられる可能性が事実上存在しないのであれば、手持ちのアラスカ航空のマイルはできるだけ早く特典に変えておいたほうがいいだろう。
「キャセイパシフィック航空のマイル数が引き上げられたらどうする?」、それはその時にまた考えればよいのではないだろうか。