JAL、リブレット施工の機体で飛行実証 抵抗低減で燃費改善

日本航空(JAL)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)、オーウエル、ニコンは、塗膜にリブレット形状を施工した航空機で飛行実証試験を実施している。

リブレットはサメ肌の形状からヒントを得た技術で、航空機の塗膜表面に施工して流体の抵抗を低減させることにより、燃費が最大2%程度改善し、二酸化炭素排出量の削減に寄与できるという。2022年7月から、JAXAで摩擦抵抗低減効果が確認されたリブレットを、オーウエルとニコンの加工技術を用いて、ボーイング737-800型機計2機の機体の胴体下部に施工し、形状を定期的に測定する耐久性飛行試験を行っている。

これまではデカールやフィルムにリブレット加工を施して機体に装着する技術は存在していたものの、塗膜に直接リブレット形状を施工することにより、重量の軽減や耐久性の向上が期待できるとしている。すでにオーウエルの施工方法による機体で1,500時間、ニコンの施工方法による機体で750時間以上を飛行したものの、十分な耐久性があることが確認できたという。

リブレットの溝の深さは髪の毛の太さ程度である50ミクロンであるため、設計通りの微細な形状を塗膜上に加工するためには熟練の職人技が必要となるほか、リブレット加工を行う塗膜は、塗料の種類、作業時の気温・湿度などの様々な要素の影響で仕上がりが変化するという。今後、大面積への施工のための最適な方法を確立し、リブレットを施工した機体の増機、より燃費改善効果の高い国際線機材に順次展開する。

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