2023年旅行見通し、訪日外国人客数は2,110万人見込む 国内・海外旅行者はコロナ前割れ続く

JTB(ジェイティービー)

JTB(ジェイティービー)は、2023年の旅行見通しを発表した。

国内旅行者数は2億6,600万人(2019年比91.2%)、海外旅行者数は840万人(同40.4%)、訪日外国人客数は2,110万人(同66.2%)になると推計する。いずれも前年比で増加し、訪日外国人旅行者は、対前年比550.6%を見込む。

この調査は、経済動向や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから推計したもので、1981年から実施している。2021年と22年には、国内旅行のみ推計を公表していたものの、新型コロナウイルスの感染状況や海外渡航の制限緩和などを踏まえ、海外旅行者数と訪日外国人客数の推計を3年ぶりに発表した。

2023年には、3連休以上が7回あり、ゴールデンウィークは最大9連休になる。国内外では「WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)」のほか、世界水泳、ラグビーワールドカップといった大型イベントも開催される。北海道日本ハムファイターズの新本拠地「エスコンフィールド HOKKAIDO」、話題の商業施設やラグジュアリーホテルの開業も相次ぐなど、好材料も多い。

国内旅行者の平均消費額は40,300円、全体の消費額は10兆7,200円と推計する。平均消費額は2000年以降で最高額で、物価上昇の影響を受けた。行動制限の緩和後にも、一定程度旅行を控える人がいると考えられ、旅行者数はコロナ前を割り込むものの、平均消費額はコロナ前を上回ると予測した。旅行意欲は高く維持され、海外旅行から国内旅行へのシフトも期待できるものの、物価高に伴う景況感は厳しい状態が続きとした。旅行意欲が高い層は、引き続き20代男女であるものの、シニアの旅行意欲も高まってきているという。

海外旅行の平均消費額は294,900円で、全体の消費額は2兆4,800億円と推計する。1人あたりの平均消費額は2000年以降で最高額となるものの、旅行者数の回復は緩やかになると予測する。旅行意欲が高いのは20代男女で、年内に海外に出かけたい人の割合が最も高かった。

訪日外国人客数は、韓国、タイ、シンガポールなどからの訪日客が増加し、急回復が期待できるものの、2019年の訪日外国人で最も高い割合だった中国からの本格的な回復の目途は立っていない。中国からの訪日需要は、7月以降に本格的に回復し、他の市場と概ね同じパターンで急回復すると予測した。四国や愛知県の「ジブリパーク」、盛岡など、雑誌などに取り上げられた観光地には反響が見込まれるとした。