エア・カナダ、日本路線全て再開へ “欧州の1年遅れ”で市場回復見込む

エア・カナダ

エア・カナダは、2023年3月26日から始まる夏スケジュールで、日本路線全5本を順次再開する。増便や機材の大型化などにより、座席供給量は2019年比で約105%と、コロナ禍前を上回る見通し。

現在は東京/成田〜バンクーバー線を1日1便、東京/成田〜モントリオール線を週3便、東京/成田〜トロント線を週4便運航しており、機材はいずれもボーイング787-9型機を使用している。このうち東京/成田〜トロント線については、夏スケジュールの開始に先立つ2023年1月18日(日本発は同19日)から1日1便に増便する。

夏スケジュールではまず、初日の2023年3月26日から東京/成田〜バンクーバー線の機材をボーイング777-300ER型機に大型化。また、東京/成田〜モントリオール線を週5便に増便する。その後、同年4月21日からは東京/羽田〜トロント線を再開。ボーイング787-8型機で1日1便(日本発は同22日)運航する。さらに、東京/成田〜モントリオール線は同年5月1日(日本発は同2日)から1日1便となり、同年6月2日には大阪/関西〜バンクーバー線を夏期の季節便として再開。ボーイング787-8型機で週4便運航する。

エア・カナダのインターナショナルセールスを担当するヴァイスプレジデントのヴァージリオ・ルッシ氏は11月25日、都内で取材に応じ、「日本は伝統的に大切なマーケット。フルキャパシティで戻ることができてうれしい」と笑顔を見せた。

カナダでは10月1日から、全ての入国者に対する新型コロナウイルスの検査、検疫や隔離の要件を撤廃。日本側の規制は10月11日から大幅に緩和された。ルッシ氏は、「アジアは欧州に比べて規制緩和が1年遅れている」としたうえで、「これからアジア市場は欧州市場と同じような回復の動きが出る」と見通している。欧州では2021年のクリスマスを前に規制がほぼ撤廃され、国境を越える往来が活発化。その後のオミクロン株流行により一時的に往来が止まったものの、今年のイースター休暇までには回復したという。

同社によると、11月6日のカナダ発日本行きの予約数は、規制緩和前の9月18日比で226.6%増と大幅に回復した一方、日本発北米行きについては同49.9%増に留まっている。これについてルッシ氏は、「マスク着用の習慣がある日本の環境では、コロナ禍は過ぎ去ったものという認識を持つ人が少なく、それが日本のアウトバウンド機運が高まらない一因ではないか。特に冬はマスクの着用意識が高まる」と分析し、日本マーケットについては2023年の夏をターニングポイントと捉えていると話した。

▲エア・カナダ インターナショナルセールス ヴァイスプレジデント ヴァージリオ・ルッシ氏(左)、アジア・太平洋地区統括支社長 ワイス貴代氏