「TL-リンカーン」の障害、完全復旧時期見通せず まもなく発生から1週間

シーナッツ/TL-リンカーン

シーナッツは、宿泊施設向け予約・販売管理業務システム「TL-リンカーン」で発生している障害の解消の復旧を進め、10月16日早朝に基礎となる機能の復旧を完了した。一方、全ての機能の制限解除の時期はわかっていない。

障害は、10月11日午前9時ごろから、予約通知処理の滞留が発生。同日午後7時ごろから機能制限を開始し、翌12日午後1時ごろから、さらに機能制限を行っていた。13日午前8時ごろに予約通知の滞留状況が解消し、同日午前10時ごろ、14日午前11時半ごろから機能制限を一部解除していた。16日午前6時40分ごろに基礎となる機能の復旧が完了した。

大量の予約を受信したことによるトラフィックの急増が原因で、「TL-リンカーン」を導入している全ての宿泊施設、約5,100施設で影響が出ている。

「TLリンカーン」は、自社や旅行予約サイトなどで販売する客室数や料金を管理できるサービス。ある旅行会社で客室が1室販売された後、それ以外の在庫数を1室減らすといった作業を自動的に行う。在庫を最大限活用した販売が可能で、予約情報をホテルのシステムに取り込むことができるなど、作業効率化を図れる。

この障害に伴い、宿泊施設は各予約サイトで個別に宿泊者の予約確認や販売管理を行う必要がある。一部の宿泊施設ではオーバーブッキングも発生したほか、「全国旅行支援」の各旅行会社での販売開始に間に合わぬまま割り当て予算に達してしまい、予約受付を終了してしまったところもあるようだ。

シーナッツは、リクルートとJTBの合弁会社。2007年6月に設立。「TL-リンカーン」や「TL-GroupTravel」、「TLブッキング」といった、宿泊施設向けの業務管理ツールを提供している。