駐機中の電源供給、バッテリー式GPU導入でCO2削減へ 2024年の実用化めざす

駐機中の航空機への動力供給事業を手がけるAGPは、従来のディーゼル駆動式地上動力設備(GPU)に代わるバッテリー駆動式GPUを開発した。1年程度運用試験を行い、2024年をめどに実用化を目指す。

便間の折返し整備などで駐機中の航空機に対しては、機内への電源供給のため、空港設備からケーブルで電力を得られる固定型GPUを使用している。しかし、オープンスポットや小規模空港などでは固定型GPUが整備されていないところもあり、そうした場所では航空機自体のエンジンを作動させて発電する補助動力装置(APU)が使用されている。しかし、APUを使用すると駐機中も燃料を消費し続けるほか、GPUと比較してCO2排出量が約10倍にのぼるといった環境問題があり、車載タイプの移動型GPUも導入されている。

▲従来のディーゼル駆動式の移動型GPU

従来の移動型GPUはディーゼルエンジンで駆動するものがほとんどだったが、AGPでは今般、リチウムイオンバッテリーで駆動する新たな移動型GPUを開発。ディーゼル式に比べ、CO2排出量を3分の1程度に削減できるという。東芝製リチウムイオンバッテリー「SCiB」を採用し、地上設備から充電して従来の移動型GPUのように機側に移動させてケーブルで航空機に給電する。エアバスA320型機やボーイング737型機などの小型機への使用を想定しており、1回の充電で最大1時間半ほど電力を供給できるという。今後、成田空港や寒冷地の空港などで運用試験を行い、まずはAGPが事業展開する羽田空港や関西空港など国内10空港への導入を目指す。

AGPの大貫哲也社長は、「カーボンニュートラルを達成するにはオープンスポットや地方空港へのGPU導入が必要だが、運用中の空港では固定型の設備を新設するのは難しい」と説明したうえで、「バッテリー式GPUはCO2削減へのソリューションとして活用いただけるのではないか」と話した。

▲空港内はトーイングトラクターで移動させ、機側では人力でも取り回せる

▲従来のディーゼル式GPUと同様にケーブルで給電する