現役引退表明の羽生結弦選手、ANAとの契約は未定 「他のスケーターと比べられることなくなる」と安堵も

全日本空輸(ANA)所属のフィギュアスケート男子の羽生結弦選手は7月19日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京で記者会見を開き、現役を引退する意向を表明した。今後はプロスケーターに転向し、競技会には出場しない。

2月の北京五輪以降、進退を明言せず、アイスショーに出演していた。会見の冒頭で羽生選手は「まだまだ未熟な自分だが、プロのアスリートとしてスケートを続けていくことを決意した」と表明。「これからは競技者として他のスケーターと比べ続けられることはなくなった」と安堵したような表情も見せ、「これからは自分の弱さと、過去の自分と戦い続けながら滑っていきたい。4回転半ジャンプにもより一層取り組む。これからも応援していただけたら」と語った。会見の終わりには、これまでの活躍を労う花束がANAの客室乗務員から贈呈され、羽生選手は「ありがとうございます」と笑顔で受け取った。

羽生選手は2014年のソチ五輪で個人金メダルを獲得。2018年の平昌五輪では同種目で66年ぶりとなる2連覇を達成した。北京五輪では3連覇が期待されたが、4位に終わっていた。

ANAはソチ五輪前年の2013年7月1日に羽生結弦選手との所属選手契約を締結。羽生選手が海外渡航する際の輸送協力など、活動を全面的にバックアップしてきた。今年1月27日からはオフィシャルグッズの販売を始めている。今後の契約については未定だが、ANAは「前向きに考えている」という。

ANAは「プロスケーターとして新出発されることは喜ばしいこと。活躍の舞台は変わるが、プロスケーターとして、引き続き世界中の人々に勇気や活力を与えて下さることとますます期待している。羽生選手の『挑戦する心』をこれからもANAは応援していく」とコメントを出した。