カタール航空、エアバスA350型機の塗装劣化問題で追加の声明を発表

カタール航空は、塗装劣化問題で法的判断を求めている、エアバスA350型機に関する声明を追加で発表した。

5月26日にロンドンの高等裁判所で行われた審理で、判事はエアバスA350型機に関する状態について、「問題に対する単純な解決策はないこと」、「状態そのものではなく、状態の症状に対処する」ものであるとの見解を示している。

機体の素材である複合繊維強化ポリマー(CFRP)とエキスパンド銅箔層(ECF)の膨張係数が異なるため、エアバスA350型機の寿命のいずれかの時点で、この問題は事実上必ず発生するという。ECFは、平均して年に1回は起こるとされている被雷の際に、機体への重大なダメージを防ぐための導電体として機能している。

エアバスの現段階の見解では、すでにカタール航空へ納入済み、または今後納入する予定のすべてのエアバスA350型機ではこの問題を解決できないという。カタール航空ではこれを、機体の設計に起因した問題であるとしており、同様にCFRPを用いているボーイング787型機ではこの問題は起きていないとした。

また、カタール航空は、この問題によってエアバスA350型機の納入を拒否する契約上の権利を有しており、エアバスが対抗して、エアバスA321型機の契約を解除することは、不当であると主張している。

カタール航空では、通常はメディア向けに詳細は声明を発表することはないものの、「エアバスが不正確な情報や声明を発表し続けていることから、当社の顧客と業界の利益のために、声明を発表することにした」とコメントしている。

詳細はこちら