作家・沢木耕太郎氏、国内旅エッセイ「飛び立つ季節 旅のつばくろ」を6月30日発売 新幹線車内誌「トランヴェール」の連載などから35編

新潮社は、作家・沢木耕太郎氏の国内旅エッセイ集「飛び立つ季節 旅のつばくろ」を、6月30日に発売する。

初めての一人旅で訪れた男鹿半島、檀一雄の墓に参った福岡、吉永小百合と語り合った伊豆など、JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」の連載などから35編を収録した。「トランヴェール」の連載は、今年3月をもって終了している

沢木氏は、「この二、三年、思いがけないことによって、私たちは多くの制約の中で生きてこなくてはならなかった。巣立ちを必要とする若者たちも、暖かい南の土地への憧れを持つ大人たちも、自由に移動することができずに、自分の「巣」の周辺にとどまらざるを得なかった。できなくなって、初めて、自由に移動できるということのありがたさを思い知ることになった。だが、春になり、やがて夏が来ようとしているいま、私たちにも、そろそろ飛び立つことのできる季節が訪れたような気がする」と、あとがきに寄せている。

沢木氏は、1947年東京都生まれ。1979年「テロルの決算」で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年に「一瞬の夏」で新田次郎文学賞を受賞。1986年から刊行が始まった「深夜特急」三部作では、1993年にJTB紀行文学賞を受賞。旅行者のファンも多い。

また、2020年に刊行した、初の国内旅エッセイ集「旅のつばくろ」と代表作「深夜特急」第1巻の電子版が無料で読めるキャンペーンも実施する。四六版ハードカバー、価格は1,100円(税込)。