JAL、廃棄予定の花でCAがドライフラワー商品開発 大分県竹田市の納税返礼品に

日本航空(JAL)は、客室乗務員が地方に移住して地域活性化に取り組む「ふるさとアンバサダー」の活動の一環として、大分県竹田市の企業と連携し、同県で栽培された花卉を使ったドライフラワー商品を開発した。インターネットなどで販売するほか、同市のふるさと納税返礼品としての登録も予定している。

JALと竹田市は2020年夏頃から連携して地域活性化の取り組みを続けており、これまでにも阿蘇くじゅう国立公園などの雄大な自然環境や温泉、食を活かしたヘルスツーリズムやワーケーションモニターツアーを企画してきた。今般のドライフラワー商品は、コロナ禍で販売に影響を受けている同市の花卉産業を盛り上げたいと企画。同市でドライフラワーの製造販売を手掛ける「lavifle(ラビフル)」と連携して、九州地区のふるさとアンバサダーを務める長崎県出身の酒井麻衣さん、佐賀県出身の坂井由起子さん、宮崎県出身の吉田美穂さんの3人が開発に取り組んだ。

▲ドライフラワー商品の開発に取り組んだ(左から)酒井麻衣さん、坂井由起子さん、吉田美穂さん

商品は4種類。イベント自粛などで販売できず廃棄される予定だった花卉を使い、ウェルカムボード、フラワーアロマキャンドル、スワッグ(壁飾り)、リースを制作した。それぞれが日本の四季をイメージしている。吉田さんは「人とのコミュニケーションが減った日常生活に潤いや豊かさを感じてもらえる商品を作りたいと、四季に自然に溶け込むようなドライフラワーを考えてアイデアを出し合った」と商品のコンセプトを説明する。3人とも本格的なドライフラワーづくりは初めてで、花言葉を調べたりしながら開発を進めたという。オンラインでの打ち合わせが多く、商品の大きさや色味、手にとったときの感触がわからないといった苦労もあり、完成までおよそ6か月を要した。

完成した商品はすでにラビフルの店頭で販売しているほか、オンラインでの販売も計画している。また、6月中には竹田市のふるさと納税返礼品に登録できるよう調整中だという。ふるさとアンバサダーが開発した商品が返礼品に採用されるのは初めての事例になるという。

6月30日まで東京・有楽町のJALプラザ店頭でも展示している。きょう5月31日は竹田市の土居昌弘市長が店舗を訪れ、吉田さんら3人から商品の説明を受けた。土居市長は「花卉農家も喜ぶと思う。JALと更に連携を強めて自治体づくりをしていきたい」とアンバサダーの活動を歓迎した。

▲アンバサダー3人から商品の説明を聞く竹田市の土居昌弘市長(中央左)

▲坂井さんが担当したウェルカムボード(左)。フラワーアロマキャンドルは3人共同で担当した

▲吉田さん、酒井さんはそれぞれスワッグ、リースを担当した