「GWには期待していたが…」 準備万全で日本人を待つグアムの現況を見る

2022年の大型連休は、国内の観光地にようやく賑わいが戻った。4月29日から5月8日までの国内線予約数は全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)ともに前年の2倍以上だったという。一方、海外旅行もわずかに復調の兆しが見えてきた。JALグループでは同期間中に約5,000名がホノルル線を利用する見通しだという。ANAも7月1日から、現在運航中の東京/羽田〜ホノルル線に加えて東京/成田〜ホノルル線を復便し、総座席数520席の超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU(フライングホヌ)」を約2年4か月ぶりに投入する。

ハワイと同様に日本人に人気のビーチリゾートといえば、成田空港から4時間足らずで行けるグアムも馴染み深い。グアムには現在、ユナイテッド航空が東京/成田から週9便を運航中で、6月2日からは週11便に増便する。グアム政府は3月29日から、ワクチンの2回接種が完了した観光客を入国時の検疫なしで受け入れているが、最近の現地の状況はどうなっているのだろうか。筆者は4月18日から23日までグアムを訪れ、街の様子を視察した。

▲日本から4時間足らずで行けるアメリカンリゾートのグアム

グアムでは4月19日から屋内でのマスク着用義務が解除され、飲食店などの収容人数上限やソーシャルディスタンスの確保に関する要件も撤廃された。筆者が訪れたのは義務解除から間もない時期で、リゾートホテルやショップが立ち並ぶ繁華街のタモン地区では、まだ外でもしっかりとマスクをしている人のほうが多いようだった。このときはまだ観光客への周知が進んでいなかったためかもしれない。

▲感染防止に努め、世界旅行観光協議会(WTTC)が定める安全基準を満たした飲食店やホテルには「セーフ・トラベルズ・スタンプ」が掲示されている。グアム政府観光局(GVB)によると、グアムでは4月13日現在で105軒が承認されている

コロナ禍前は年間を通して日本人観光客で溢れていたグアム。しかし4月現在では、ほとんどその姿を見かけることはなかった。一方、ホテルで多く目にしたのは韓国人観光客の姿だ。韓国からはLCCのジンエアーがソウルだけでなく釜山からもコンスタントに便を飛ばし、積極的に観光客を送り込んでいるようだ。この5月からはエアプサンとチェジュ航空も復便した。

▲韓国からはLCCが積極的に送客している

とはいえ、街中に韓国人観光客が溢れているかといえばそういうわけでもない。彼らの多くはカップルや家族連れで、ホテル内のプールやレストランで静かにホテルステイを楽しんでいるようだった。グアム屈指の観光地である恋人岬も人はまばらだった。

▲観光客に人気のレストランも現在はローカル客が大半のようだ

▲恋人岬ではローカル客に混じって、韓国人の男女も数組見られた

タモン地区に構える観光客に人気の免税店「Tギャラリア グアム by DFS」も、現在は売り場を縮小して営業中。コロナ禍前は午前10時から午後11時までだった営業時間は、当面は午後1時から同7時までとなっている。DFSグループのリチャード・グスタフソン日本・韓国・ミッドパシフィック統括/地域法人代表取締役社長によると、コロナ禍以前の客層は韓国人が55%、日本人が35〜45%だったという。しかし、現在訪れる人のほとんどはローカル客だ。グスタフソン氏は「ゴールデンウィークには期待していたが、日本人の再開に関しては夏休みがマイルストーンになりそうだ」と話す。一部閉鎖中の売り場も、夏休みシーズン前の7月上旬をめどに再開する見通しだという。「2年ぶりに勇気を持って旅行してくれたお客様のために、わかりやすいプロモーションを検討している」と日本人の再来を待ちわびていた。

▲最大の繁華街、タモン地区もかつての賑わいにはまだほど遠い。左手にあるのが「Tギャラリア グアム」

▲グアム博物館やスペイン広場などハガニア地区の観光地も、韓国人カップルが散見される程度

GVBによると、5月からはリゾートホテルや観光地を巡る無料バス「グアハン・トロリーサービス」が再開。現地では観光客の受け入れ準備がさらに加速している。また、各旅行代理店も順次、パッケージツアーを再開する動きを見せている。日本人にとってネックとなっているのは日本帰国時の検疫体制だが、報道によれば、岸田首相が日本の水際対策を6月にも大幅緩和する考えを示しているという。夏に向けて帰国者向けの検疫緩和も進むことだろう。しがらみなく海外旅行を楽しめる日常が戻ってくるまであと少しだ。(取材協力:ユナイテッド航空)