偕楽園観光、破産手続き開始決定 負債総額約23億円、東京商工リサーチ調査

東京商工リサーチ

東京商工リサーチによると、徳島県徳島市の偕楽園観光が徳島地裁から破産手続開始決定を受けた。

偕楽園観光は、1914年に料理旅館として創業し、1956年2月に偕楽園観光に法人化。眉山東側の麓に日本庭園を持つ徳島随一の老舗旅館として知られた徳島グランドホテル偕楽園を経営し、1988年の本館建て替え後は、多目的ホールやレストラン、結婚式場を備える県内最大規模の旅館として知られた。1998年12月期には売上高8億5,000万円を計上したが、その後は同業他社との競争等により売上規模は徐々に縮小、客室などのホテル施設のリニューアル資金や運転資金としての借入が負担となり、資金繰りは悪化していた。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、宿泊客の減少に加えて、各種会合の中止が相次ぎ、2020年12月期には売上高が5,000万円を下回った。また、2021年10月には前社長が死去し、その妻が代表となり事業を継続していたが、長引くコロナ禍で今後の回復が見通せないことから事業継続を断念した。負債総額は約23億円。