世界のホテル投資額、2021年は668億米ドル 前年比133%増、JLL調査

グローバルホテル投資の展望

総合不動産サービスを手掛けるジョーンズ ラング ラサール(JLL)のホテルズ&ホスピタリティグループは、ホテル投資の分析レポート「グローバルホテル投資の展望」をまとめた。

世界のホテル投資額は、2021年には前年比133%増の668米ドルとなり、宿泊需要は予想以上の高水準に拡大していると分析した。

アメリカ大陸や欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)で25億米ドルを超える案件など、複数の大型ホテルのM&A案件がみられた。投資家は特に、ラグジュアリー・リゾートホテルの取得に注力していた。流動性が最も高いのは都市部のホテルだったものの、投資額は2019年比22%減だった。一方で、リゾート地は同17%増だった。

地域別の投資額は、アメリカ大陸では同32%増となり、世界全体の6割を占めた。EMEAは同35%減で、イギリスやドイツなど主要経済地域ではロックダウンの影響があったものの、世界全体の30%を占めた。アジア太平洋地域は同40%減となった。

2022年は、2021年比35〜40%増となり、ピークだった2015年と同水準になることを想定している。プライベートエクイティの手元資金が過去最高水準にあること、中国政府が「三条紅線」(不動産融資規制)を打ち出したことにより、資金繰りに窮したデベロッパーがバランスシート改善のために非中核資産を売却することで売買の波が加速すること、2022年から25年の間にアメリカ大陸で310億米ドルのホテルローン債務が満期を迎えることなどを要因として挙げた。