大韓航空によるアシアナ航空の買収、条件付き承認

大韓航空(エアバスA380型機)

韓国の公正取引委員会は、大韓航空によるアシアナ航空の買収を条件付きで承認すると発表した。

審査の結果、両社や傘下の格安航空会社(LCC)が運航する重複路線119路線のうち、国際線26路線と韓国国内線14路線で競争を制限する恐れが大きいと判断した。貨物路線や航空機整備事業での懸念はなかった。

重複路線のうち、他社便と発着時間が大きく異なるほか、経由便の利用者が少ないなど代替手段とならない路線で懸念を示している。日本路線では釜山〜名古屋/中部線が該当したものの、その他の路線は競争が激しく、運賃の値上げが行われる可能性も低いとした。一方で、欧米路線の全ての重複路線、中国と東南アジアの一部路線では運賃の値上げが見込まれると分析している。

競争に制限が発生する国内外の路線では、競合の新規参入を促すため、発着枠や運輸権を返上させる。返上する発着枠は、合併後のシェアが50%以下に縮小できる数とする見込みで、路線ごとに今後決定する。新規参入には一定の時間を要することを考慮し、対象路線では運賃の値上げを制限するほか、供給座席数の縮小を禁止する。

この他にも、無料での機内食、受託手荷物、機内エンターテインメントの提供、座席間隔、マイレージサービスを維持し、利用者に不利になる変更を禁止する。措置期間は、諸外国からの承認を経て、大韓航空が株式を取得してから10年間。

大韓航空は、2020年11月にアシアナ航空の株式のうち63.88%を取得する契約を締結し、2021年1月14日に当局に合併を届け出た。