Go To トラベル給付金不正受給、HIS記者会見一問一答【全文書き起こし】

ミキ・ツーリスト

ーこれからのミキ・ツーリストは役員は総退陣し、HISから社長を送り込んで再建するという形になろうかと思う。今後どのように成長させていくかという青写真あればお聞きしたい。ミキの(檀原)社長が鳥取県の八頭で地方創生事業をやられてるが、それはどうするお考えか。
(織田)ミキ・ツーリストに関しましては、ヨーロッパマーケットに非常に強い会社ということで、HISとしてもなんとか再生をしていきたい、立て直したいと思いが強くあります。経営陣は刷新し、弊社のヨーロッパ市場に強い人間を送り込み、ヨーロッパにある当社のHISの拠点、ミキの拠点をしっかりと融合し、シナジーをとりながら、新しい新生ミキ・ツーリストを作っていこうという思いでおります。営業計画的には向こう5年間で、コロナ等との影響ございますが、まあ7割、8割このぐらいまでの業績回復、信頼回復が最大の我々の仕事だと思っておりますけども、それをしっかりと履行した上で、前に積極的に再生させていきたいという風に思っております。

地方創生事業、檀原(社長)のミキ(・ツーリスト)でやっているとはいえ、強い意向が入ってた事業でございますので、こちらの方からは当社からは、先方との話でもあるんですが、我々の勝手なところで行きますと、事業からの撤退っていうようなところを考えていかなければいけないと思ってます。

ー今後の経営方針、経営戦略について、第2四半期の決算会見の際に国内旅行をアフターコロナに向けて飛躍的に伸ばすと、従来の4倍くらいに伸ばすかですね、Go To トラベルが始まれば19年比の2倍くらいには達成できるんじゃないかという話もありましたけども、今回こういう事案を受けて、その辺の戦略に何か変更あるのか、影響はあるのかどうかを教えてください。
(澤田)引き続き国内旅行は強化していきたいと思っております。今でも、昨年の倍伸びておりますけど、これをできれば3倍、4倍伸ばしていきたいなと思っております。経営方針としては、先程も言いましたように、海外が今ほぼ0でございますので、国内に全勢力を注ぐということと、新しい事業、新しいビジネスをどんどん育てようということをやっていくつもりですし、やっております。

ー今回こういう事案が起きて、お客さんの間でもやっぱりHISとGo Toトラベルを結びつける意識もあるかと思うが、影響の想定はないか。
(澤田)今のブッキング大体4,000前後なんですけれど、毎日。今のところ大きな影響は出てないと思っております。

(中森)HISはお客さんのためにですね。旅行を通じて、サービスのできることをですね、サービスを提供することにこういうことがありましたけど、全力を尽くしたいという風に考えております。

ー役員会では報告がなかったとお聞きしたが、コロナ禍で、インバウンドをやっている会社の中で、合計20億円強の取扱高が目立たないくらいの状況だったのかというのが、いささか不思議に思う。
(織田)Go To トラベルが始まって、給付金枠がJPHに対して、最初6億円ぐらいから始まった時に記憶してるんですけども、そこで在日中国人の方に国内旅行を販売していく、そういった報告を受けていましたので、そういった意味ではそこで増えてるというところでは、我々ちょっとそこで疑念を待つことは正直なかったです。

ー平林さんに関して、澤田さんとの長い間、多分20年以上、HISにいた方だと思うが、今回の事件の前の段階でどういう人となり、どういう風な存在の方だったのかってことと、HISの社長を辞めることになった理由は。
(澤田)実力はあったと思いますよ。だから上り詰めていったと思うんですけども、ただ若干、若干ですけども、人間性にちょっと腑に落ちない点があるかなということは感じてましたので、僕はハウステンボスの10年間の社長を終えて、帰ってきた時に社長を外したというのが現実的ですね。はい、これ実際にやったわけですから。

ー今回事件が発覚してから直接コンタクトは一切してないか。
(澤田)一切ないですね。

ーミキ・ツーリストの方なんですけど、普通、旅行会社が手配した場合は旅行会社のGo To(トラベル)の給付枠を使うというのが一般的であって、ミキ・ツーリストは訪日、海外のランドオペレーターで、Go To の給付枠が少ないことで、今回JHATの枠を使ったということになると思いますけど、常識的に旅行会社が手配していて、その旅行会社の枠を使わずホテル側の枠を使うということはあり得るのか。
(織田)ミキ・ツーリストは、もともと日本人のヨーロッパに送る、現地でのランドオペレーターでございまして、今回のいわゆるGo To トラベルのスキームは、いわゆる国内旅行のスキームでして、ミキ・ツーリストそのものはGo To(トラベル)の給付枠を持っていないっていうのが出発点っていう風に理解してます。

ーそういうところがGo To(トラベル)の枠を使って手配するということは普通はありえないと思うんですけど、JHATの枠を使うという今回スキームは普通ありえないんですよね。
(織田)ですので、私どもも調査委員会の報告を受けまして、JHATとミキ・ツーリストとがいわゆる一緒にやっていたっていう結論に至っているということを我々も認識しております。

ーJHATの平林社長との接点、先程澤田社長はないというお話でしたけれども、やり取りすることがあったのか、仕事の相談も含めて。
(中森)HISを退社されてから一度も会ったことがございません。

ー会ったことはないというは連絡も取ってないっていうことか。
(中森)連絡も一切取っておりません。あの一度はですね。ヒルトンホテルの前で会って、こんにちは、こんばんはと言いましたけど、それ以来は一言も話しておりません。

(織田)辞められてからですね、すぐの時に、今handyっていうですね、彼がやってる会社があった。そこに出資してくれというような依頼を受けて、いろんなプレゼンテーション資料をもらったり、そういうことはしたことあります。それでも出資は断ってます、当時。その後はですね、個人的な付き合いはございません。偶然に会った、半年前ぐらいですね。偶然に会ったことは一度だけございました。

ーということは今回の件でも全く相談だったりとかはなかった。
(織田)全くないですけど、それ全くないです。

ーJHATとのスキームで20億円を超える取扱高を計上できる見込みだという説明をあえて社長は隠していたということか。もし隠したんだとすると、主体性がないというのが腑に落ちなくなってくる。
(織田)隠した、隠蔽したっていう風に私どもは理解しております。その理由は、HISにこの件を報告をあげると、手前どもがJHATとそういう取引をなぜするのと、必ず我々は言うと思います。それを当人は避けたんではないか。これ憶測ですけども、本人と話してませんので、そういうことだと思います。

ーJHATの設立の経緯なんですけれども、澤田社長は先ほど平林さんとは全く会われてないっていうことだったんですけれども、ただ実質株主としてJHATの親会社という部分も一部あるかと思うんですけれど、全くその相談がなく設立された、そういう認識でいいんですか。
(澤田)株式は一切出資していませんし、さっきも言ったように一切のそういう関係も連絡も、僕とかHISは取ったつもりはないですね。

ーJHATの一番メインの株主の方と澤田社長、面識はありますよね。
(澤田)JHATの株主ですね。完全には知りませんけどもあるかも分かりませんね。

ーその方だったりから、今回相談を受けたとかですね。JHATのところを心配するような声っていうのは何か聞かれたりとかあったんですか。
(澤田)僕自身は一切ないですね。まあ相談もなければ、はい。

(織田)あの、私もそういった相談を一切ないですね。

ー先ほどから平林さんの話が出て、振られると皆さんいい感じを持ってないのかなと思うんですけども、なぜ辞めたのか。
(澤田)なぜ辞めたかは分かりませんけど、多分僕がハウステンボスで10年間社長やって、HIS(の業績)が若干落ちてきてましたから、HISを立て直すんじゃないしね、もう1回盛り返そうということで帰ってきたのが関係してるんじゃないかと思ってます。

(中森)辞める前に私がですね。最後挨拶する時に聞いたのは、当時アコーディア(・ゴルフ)の社長をやるんで、新しいことにチャレンジしてみたいって言ってた記憶はあります。実際アコーディア(・ゴルフ)の社長されてますし、50代前半で新しいことにチャレンジしたいって言っていた記憶はあります。

ー調査委員会の報告でも、今回のこの不正については、JHATの平林さんの主導というところが強く出る。先ほど澤田さんも人間性に問題があるということもおっしゃいましたけれども、HISの元社長の平林さんによって、今回の不正でHISの子会社がそこに関わることになったということについて、率直にどういう思いを持ってらっしゃるのか。

(澤田)あの人間性に問題があるとは言ってませんので、少しあるんじゃないかと感じただけであってですね。今回の問題は痛く、HISは何もやっておりませんけども、子会社がこういうことになるということ自体はやっぱり問題ですので、僕としては非常に反省しまして、今後子会社の管理、コンプライアンスの問題とか強化していきたいなと思ってます。もう一度先程も言いましたように、2、30の子会社がございますので、もう一度社長と面接して人間性の問題とか、物の考え方とか、倫理とかの教育をしていきたいなというのが今の本音です。

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