ANA、緊急事態宣言解除で予約数10倍 ワクチン接種キャンペーンで需要喚起も

全日本空輸(ANA)の井上慎一代表取締役専務は、10月1日朝に羽田空港で報道陣の取材に答え、緊急事態宣言の解除によって10月運航便の予約数が大きく伸びていることを明らかにした。

予約数は、8月中旬から9月中旬にかけては1日5,000名程度だったもののの、その後大きく伸び、9月30日時点では1日5万名にまで増えた。特に北海道や九州方面が好調で、ビジネス、プレジャーでの利用ともに増えているという。10月1日から3日にかけての週末の予約数は11万名で、9月1週目と比べて15%増加している。Go To トラベルキャンペーン期間中だった前年と比べるとの80%程度となった。

なお、日本航空(JAL)の予約数も増加傾向にある。10月全体の1日あたりの予約数は、9月23日から29日にかけての直近1週間はその前の週より平均2.2倍に増えた。

両社やそのグループ会社は、ワクチン接種者を対象に国内線航空券を100組200名にプレゼントするほか、空港売店での割引、旅行商品での特典など、需要喚起のためのキャンペーンも実施する。

井上専務は、報道陣から緊急事態宣言が解除されたことを受けた感想を求められ、「うれしい、やっと戻ったなというのが正直なところ」を喜びをあらわにした。レジャーや帰省などのVFR需要が先に回復し、その後にビジネス需要が戻るとみており、Go To トラベルキャンペーンの再開にも「期待は大きい」としながらも、業界全体で感染防止対策を整える必要があると話した。