ANA、成田で国際線「顔パス」搭乗が可能に 手続き効率化に期待

全日本空輸(ANA)はきょう7月19日、国際線の保安検査場や搭乗ゲートでパスポートを提示することなく“顔パス”で搭乗できる「Face Express」の運用を成田空港で始めた。手続き時間の短縮や、係員との接触機会削減による感染症対策に効果を見込む。

「Face Express」は日本電気(NEC)が開発した顔認証技術を活用したシステムで、顔写真を登録することで、カウンターや保安検査場、搭乗口で搭乗券やパスポートを提示することなく、顔パスで手続きや通過が可能になるもの。同日から日本航空(JAL)も成田空港と羽田空港で運用を開始している

ANAでは成田空港第1ターミナルのCカウンターで、「Face Express」対応のバゲージドロップ10台を運用する。利用客は従来どおりチェックインを行った後、手荷物預け入れ時に顔写真を撮影・登録が可能。その後の保安検査場や搭乗ゲート通過時はパスポートや搭乗券の提示が不要になる。同社の担当者は、「例えば(カウンターでの)待ち時間が10分だったところを、3〜5分にできるのでは」と手続きの効率化に期待を寄せた。なお、現時点では出国審査場は対象外で、従来通りパスポートを職員に提示する必要がある。ANAは羽田空港でも運用を始める計画があるとしているものの、時期は未定だという。

利用対象便は当面、午後4時40分発のメキシコシティ行きNH180便のみ。ANAによると、メキシコは入国時に渡航書類の提示が求められず、チェックイン時に係員が書類を確認する必要がないためだという。運用初日の19日は、同便の乗客49人のうち14人がこのシステムを利用。仕事で渡航するという日本人男性は、「画面の指示に従うだけで簡単に通れるので楽だった」と話した。

▲バゲージドロップで顔写真を登録する様子

▲バゲージドロップで顔写真を登録する様子

▲顔パスで搭乗ゲートを通過するNH180便の乗客

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